代数学の基本定理の証明
定理 1
$n$次の多項式 $P(x) = a_{0} + a_{1} x + a_{2} x^2 + \cdots + a_{n} x^{n}$は、重根を含む$n$個の根を正確に持つ。
説明
実際、多項式を解くとき、解が存在すると当然のように思うけど、それが必ずしもそうとは限らない。例えば、2次の多項式$x^2+1 = 0$には実根が存在しない。しかし、ここで複素数を許容すると、$\pm i$という2つの解が存在することがわかる。
事実として、多項式を解く際に虚根を許容すると、解は必ず存在し、その数も正確にその次数と同じだ。すべての基本定理の重要性は、言うまでもない。核心的なアイデアはリウビルの定理であり、自然数$n$に対して一般化するために数学的帰納法が使用される。
証明
まず、$P(z) = 0$を満たす解が存在しないと仮定すると、$\displaystyle {{1} \over {P(z)}}$は全解析関数で、$\displaystyle \lim_{|z| \to \infty} \left| {{1} \over {P(z)}} \right| = 0$なので、有界だ。
リウビルの定理: $f$が全解析関数で、有界ならば、$f$は定数関数だ。
リウビルの定理により、$P$は定数関数でなければならないが、これは仮定に矛盾するので、$P(z) = 0$は少なくとも一つの解を持つ。
今、自然数に対して一般化しよう。$P(z) = 0$が少なくとも一つの解を持つとしたら、その解を$z = \alpha$とすると、 $$ P(z) = (z-\alpha) Q(z) $$ ここで$Q(z) = b_{0} + b_{1} x + b_{2} x^2 + \cdots + b_{n-1} x^{n-1} = 0$も少なくとも一つの解を持つ。このプロセスを繰り返すことにより、数学的帰納法により、$n$次の多項式$P(z) = 0$は正確に$n$個の解を持つ。
■
関連項目
Osborne (1999). 複素変数及びその応用: p94. ↩︎