宇宙のエントロピーは減少しない
📂熱物理学宇宙のエントロピーは減少しない
定理
宇宙のエントロピーは減少しない。
説明
上記の命題を見た最初に分かる事実は、「何かかっこいい」という点だ。しかし、本当にかっこいいのはこれを数式で理解できる人であり、そうなるように努力しよう。
証明
この宇宙はユニークであり、したがってこの宇宙の「外側」のようなものは存在しないという仮定が必要だ。

上記のように、A→B は不可逆、B→A は可逆な循環過程を考えよう。この過程はいずれにしても不可逆過程を含んでいるため、全体的には不可逆過程である。
クラウジウスの定理
循環過程において次が成立する。
∮TδQ≤0
クラウジウスの定理により、次が成立する。
∮TδQ=∫ABTδQ+∫BATδQrev≤0
上端と下端を整理すると、次のようになる。
∫ABTδQ≤∫ABTδQrev
エントロピーの定義
以下の式を満たすSをエントロピーentropyと定義する。
dS=TδQrev
エントロピーの定義により、次を得る。
∫ABTδQ≤dS
宇宙がただ一つであり、その向こうに何もなければ、外部と熱エネルギーを交換することはできないだろう。したがって、宇宙全体を一つの系と見た場合、全ての過程は断熱過程であり、数式的にはδQ=0でなければならない。整理するとdS≥0となり、したがって宇宙のエントロピーは減少できない。
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