無限級数が収束するなら、無限数列は0に収束することを証明
定理
$\displaystyle \sum _{ n=1 }^{ \infty }{ { a }_{ n }}$ が収束するなら、$\displaystyle \lim _{ n\to \infty }{ { a }_{ n }}=0$
説明
初めて接すると直感と異なり少し戸惑う定理だが、なぜ逆が成り立たないのか疑問に思うかもしれない。その代表的な反例としては、以下の数列を考えることができる。
$$ \begin{align*} { a }_{ n }&=\frac { 1 }{ n } \\ { b }_{ n }&=\sqrt { n }-\sqrt { n-1 } \end{align*} $$
両方の数列は共に0に収束するが、その和は無限に発散する。最初の場合は、「オーレムの証明」を参照すると良い。 対偶を考えると、「無限数列が0に収束しないなら無限級数が発散する」になり、「発散判定法Divergence Test」という名前で無限級数が発散することを示すのに使用される。
証明
$$ \begin{align*} S:=\sum _{ n=1 }^{ \infty }{ { a }_{ n }} \end{align*} $$
こう置いて、$a_n$ を次のように表す。
$$ \begin{align*} { a }_{ n }=\sum _{ k=1 }^{ n }{ { a }_{ k }}-\sum _{ k=1 }^{ n-1 }{ { a }_{ k }} \end{align*} $$
両辺に極限を取ると、
$$ \begin{align*} \lim _{ n\to \infty }{ { a }_{ n }} =& \lim _{ n\to \infty }{ \left( \sum _{ k=1 }^{ n }{ { a }_{ k }}-\sum _{ k=1 }^{ n-1 }{ { a }_{ k }} \right) } \\ =& \sum _{ n=1 }^{ \infty }{ { a }_{ n }}-\sum _{ n=1 }^{ \infty }{ { a }_{ n }} \\ &=S-S \\ &=0 \end{align*} $$
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