古代の三大作図不可能問題の証明
📂抽象代数古代の三大作図不可能問題の証明
定理
以下の3つの作図は不可能である。
- [1] 円を正方形にする: 与えられた正方形と同じ面積の円を作図せよ。
- [2] 立方体を倍にする: 与えられた立方体の体積が2倍になるような立方体を作図せよ。
- [3] 角度を三等分する: 与えられた角度を三等分せよ。
反証
これらの長く続いた幾何学の問題が代数学によって解決されるのは、本当に驚異的だ。基本的には以下の補題の対偶を使用する。
作図可能数の性質: 1 を含む有限回の基本演算と平方根を取り得る数を作図可能constructibleとする。
- (1): 作図可能数は代数的数である。
- (2): γ∈Q が作図可能ならば、i=2,⋯,nに対して
[Q(a1,⋯,ai−1,ai):Q(a1,⋯,ai−1)]=2Q(γ)=Q(a1,⋯,an)
を満たす有限数列 {ai}i=1n が存在し、ある r∈N に対して
[Q(γ):Q]=2r
[1]
面積がπの円が反例であることを示せば十分である。
代数的数と超越数: 体Fの拡大体をEとする。非定数関数f(x)∈F[x]に対してf(α)=0を満たすα∈Eが存在するならば、F上で代数的algebraicとし、そうでなければ超越的transcendentalという。F=Q,E=Cとするとき、α∈Cが代数的ならば代数的数、超越的ならば超越数という。
正方形の面積がπになるようにするには、一辺の長さがπでなければならないが、πはQ上で超越数であるため、補題(1)の対偶により作図不可能である。したがって、その平方根であるπも作図不可能である。
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[2]
体積が1の立方体が反例であることを示せば十分である。
立方体の体積が2になるようにするには、1つの辺の長さが32でなければならないが、
2r=[Q(32):Q]=3
を満たすr∈Nは存在しないため、補題(2)の対偶により、32は作図不可能である。
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[3]
大きさが60∘の角度が反例であることを示せば十分である。
三角関数の3倍角の公式により、
cos60∘=4cos320∘−3cos20∘
である。cos60∘=21とすると、α:=cos20∘と定義でき、
4α3−3α=21⟹8α3−6α−1=0
つまりαは多項関数(8x3−6x−1)∈Q[x]の根である。この整数係数多項関数の因数になり得る候補は、
(8x±1),(4x±1),(2x±1),(x±1)
のみである。しかし、実際に計算してみると、
∓81,∓41,∓21,∓1
根になるものはない。(8x3−6x−1)が1次の項で因数分解されないということは、2次の項を因子として持たないということである。要するに、
2r=[Q(α):Q]=3
であり、2r=3を満たすr∈Nは存在しない。補題(2)の対偶により、cos20∘は作図不可能で、大きさが60∘の与えられた角度を三等分することはできない。
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一般知識
特に、“Square the circle"は、“不可能なことをする"や"まともなことを言え"という意味でアングロサクソン圏で使われた。한국어로는 “팥으로 메주를 쒀라"와 같은 느낌으로考えればいい。