微分幾何学におけるクリストッフェル記号
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x:U→R3を座標写像とする。微分幾何学では、幾何学的な対象の特徴や性質を微分を通して説明する。したがって、座標切れ目xの導関数が色々な定理と公式で登場することになる。例えば、1次の導関数{x1,x2}は接空間TpMの基底になる。したがって、任意の接線ベクトルX∈TpMは次のように表現することができる。
X=X1x1+X2x2
それでは、座標写像の2次の導関数xij=∂ui∂uj∂2xについて考えてみよう。これはR3のベクトルなので、R3の基底の線形組み合わせで表現することができる。でも、すでにR3で互いに直交する3つのベクトルを知っているけど、それは1次の導関数と単位法線だ。
{n,x1,x2}
すると、xijは次のように表される。
xij=aijn+bij1x1+bij2x2
これらの係数bij1,bij2をクリストッフェル記号という。さて、これらの係数を具体的に求めてみよう。第1基本形式の性質によって以下が成立する。
⟹⟨xij,xl⟩l=1∑2⟨xij,xl⟩glk= bij1⟨x1,xl⟩+bij2⟨x2,xl⟩= k′=1∑2bijk′⟨xk′,xl⟩= k′=1∑2bijk′gk′l= l=1∑2k′=1∑2bijk′gk′lglk= k′=1∑2bijk′δk′k= bijk
さて、これらのbijkをΓijkと表記して、次のように定義しよう。
定義
以下のように定義されるΓijk(1≤i,j,k≤2)をクリストッフェル記号という。
Γijk:=l=1∑2⟨xij,xl⟩glk=⟨xij,xl⟩glk
∑の省略された式はアインシュタインの記法を使用している。
説明
x12=x21であるから、Γ12k=Γ21kである。
xijの接成分bijkをΓijkと表記し、クリストッフェル記号と呼び、xijの法成分aijをLijと表記し、第2基本形式の係数と呼ぶ。
ここで紹介したクリストッフェル記号は具体的には第2クリストッフェル記号である。第1クリストッフェル記号は以下のように定義される。
Γij∣l:=k=1∑2Γijkgkl
通常、クリストッフェル記号と言えば第2記号を指す。これらの記号を初めて使ったのはG.B.クリストッフェルで、当時は第2記号を{ijk}としていたという。
参照