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ヤングの不等式の証明 📂レンマ

ヤングの不等式の証明

定理

$\displaystyle {{1} \over {p}} + {{1} \over {q}} = 1$を満たし、1より大きい二つの定数$p,q$と二つの正数$a,b$について

$$ ab \le { {a^{p}} \over {p} } + {{b^{q}} \over {q}} $$

説明

代数的に形が美しい点を除けば、ヘルダーの不等式を証明する以外に大きく言及されない不等式である。

証明

$a$と$b$はどちらも正であるため、$a = e^A, b = e^B$を満たす実数$A,B$が存在する。

凸関数の二次導関数

$f$が$I$で二回微分可能だとしよう。$f$が$I$で凸であるための必要十分条件は$f '' (x) >0$である。

一方で、$ e^x>0$なので二次導関数も常に正であり、そのため$\mathbb{R}$で凸である。

イェンセンの不等式

$I \subset \mathbb{R}$で凸な$f : I \to \mathbb{R}$と$\displaystyle \sum_{k=1}^{n} \lambda_{k} = 1, \lambda_{k}>0$について、$f( \lambda_{1} x_{1} + \lambda_{2} x_{2} + \cdots + \lambda_{n} x_{n} ) \le \lambda_{1} f( x_{1}) + \lambda_{2} f( x_{2}) + \cdots + \lambda_{n} f( x_{n} )$

イェンセンの不等式により、

$$ e^{{{1} \over {p}} p A + {{1}\over {q}} q B} \le {{1} \over {p}} e^{pA} + {{1} \over {q}} e^{qB} $$

要するに、 $$ e^{A+B} \le {{1} \over {p}} (e^{A})^p +{{1} \over {q}} (e^{B})^q $$

$a = e^A, b = e^B$だったので、

$$ ab \le { {a^{p}} \over {p} } + {{b^{q}} \over {q}} $$