対角化可能な行列の累乗のトレースがその固有値の累乗の和に等しいことを証明する
📂行列代数対角化可能な行列の累乗のトレースがその固有値の累乗の和に等しいことを証明する
定理
対角化可能な行列A∈Cn×nと自然数k∈Nが与えられたとする。Aの固有値をλ1,⋯,λnとすれば、次が成り立つ。
trAk=i=1∑nλik
ここでtrはトレースである。
説明
補題とまでは言えないが、A∈Rn×nが対称行列の場合、A2の対角和はAの要素毎の二乗の和に等しい点が有用だ。
i=1∑nj=1∑nAij2=trAAT=trA2=i=1∑nλi2
実際、この事実はクレイグの定理の証明に使われる。
証明
ユニタリー行列Qと対角行列diag(λ1,⋯,λn)についてA=QΛQ∗とする。
トレースの循環性:
tr(ABC)=tr(BCA)=tr(CAB)
trAk=====trQΛQ∗⋯QΛQ∗trQΛkQ∗trQ∗QΛktrIΛki=1∑nλik
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