確率論におけるレヴィの定理の証明
📂確率論確率論におけるレヴィの定理の証明
Theorem
確率空間 (Ω,F,P) が与えられたとする。
η が 可積分な確率変数であり、{Fn}n∈N が Fn⊂Fn+1 を満たすシグマ場のシーケンスである場合、n→∞ のとき
E(η∣Fn)→E(η∣F∞)
- F∞=n=1⨂∞Fn はテンソル積ではなく、Fn の全ての要素を含みながら最小のシグマ場を意味する。それほど新しいわけではないが、実際には位相空間 Ω の全ての開集合を含みながら最小のシグマ場をボレルシグマ場と呼んでいた。でも難しいなら、ただのフィルトレーションの条件を満たすシグマ場として受け入れてもいい。
説明
測度論のレベギの定理とは異なり、被積分関数は静止していてシグマ場が広がるが、その本質は大きく異なるわけではない。
レヴィの0-1法則
レヴィの定理はレヴィの0-1法則lévy’s zero–one lawとも呼ばれ、これは事象 A∈F∞ の条件付き確率 P(A∣F∞)=E(1A∣F∞) がn→∞ のときほとんど確実に
P(A∣Fn)→1A∈{0,1}
つまり 0 か 1 のどちらかだ。直感的に言えば、Fn⊂Fn+1 を満たすように広がっていること、シグマ場のフィルタレーションというのは、n が広がることによって情報量が増加することを意味し、それによって事象A が発生するかしないかが 0 と 1 で明確になるということだ。
証明
戦略:ドゥーブのπ-λ定理と確率過程論のレギュラーマルチンゲールの性質を取り入れる必要がある。注意すべき点は、η は単に可積分な確率変数として与えられただけでF∞-可測ではないため、全てのA∈F∞ に対して∫AX∞dP=∫AηdP としてほとんど確実に X∞=η という主張をすることはできない。もちろん、条件付き期待値の性質からE(η∣F∞) は、η が何であれF∞-可測であり、実際に示すべき等式もX∞=E(η∣Fn) になる。
Claim: Xn:=E(η∣Fn) とF∞-可測な確率変数X∞:=n→∞limXn を定義する。X∞=E(η∣F∞) を示せばよい。
Part 1. E(X∞∣Fn)=Xn
Xn の定義によって、{(Xn,Fn)} はレギュラーマルチンゲールである。したがって、一様可積分マルチンゲールであり、L1 収束マルチンゲールになり、Xn はX∞ にL1 で収束する。また、{(Xn,Fn)} はクローズ可能マルチンゲールであるため、E(X∞∣Fn)=Xn を得る。
これからドゥーブのπ-λ定理を使用するために、次の定義を導入する。
πシステムとλシステム:
- 次の条件を満たすP を**π-システム**と呼ぶ。
A,B∈P⟹A∩B∈P
- 次の条件を満たすL を**λ-システム**と呼ぶ。
- (i): ∅∈L
- (ii) A∈L⟹Ac∈L
- (iii) 全てのi=j に対してAi∩Aj=∅ のとき
{An}n∈N⊂L⟹n∈N⋃An∈L
Part 2. L:={A∈F:∫AX∞dP=∫AηdP} はλシステムである
Part 2-(i). ∅∈L
- 空集合の公理により、∅∈L は自明である。
Part 2-(ii). A∈L⟹Ac∈L
- Part 1で示されたE(X∞∣Fn)=Xn であるため、条件付き期待値の定義により、
∫ΩX∞dP====∫ΩE(X∞∣Fn)dP∫ΩXndP∫ΩE(η∣Fn)dP∫ΩηdP
であるため、Ω∈L であり、L の定義によってA∈L であれば、
∫AcX∞dP===∫ΩX∞dP−∫AX∞dP∫ΩηdP−∫AηdP∫AcηdP
この計算は、 確率測度 P が有限測度であるため、∞−∞ のような場合を除外しているため可能なことである。計算によりAc∈L であり、結論として、
A∈L⟹Ac∈L
Part 2-(iii). 全てのi=j に対してAi∩Aj=∅ のとき {An}n∈N⊂L⟹n∈N⋃An∈L
- ∫⋃i∈NAiX∞dP===i=1∑∞∫AiX∞dPi=1∑∞∫AiηdP∫⋃i∈NAiηdP
Part 3. P:=n∈N⋃Fn はπシステムである
A,B∈n∈N⋃Fn であれば、あるn1,n2∈N に対して、
A∈Fn1B∈Fn2
したがって、
(A∩B)∈Fmax{n1,n2}⊂n∈N⋃Fn
Part 4. P⊂L
A∈P=n∈N⋃Fn ということは、A∈Fn0 を満たすあるn0∈N が存在するということである。そのため、Part 1で{(Xn,Fn)} がマルチンゲールであったため、
∫AXmdP====∫AE(Xm∣Fn0)dP∫AXn0dP∫AE(η∣Fn0)dP∫AηdP
したがって、
∫AXmdP−∫AX∞dP≤≤∫A∣Xm−X∞∣dPE∣Xm−X∞∣
である。ここで{(Xn,Fn)} はL1 で収束するマルチンゲールであるため、m→∞ のときE∣Xm−X∞∣→0 であり、
m→∞lim∫AXmdP=∫AX∞dP
そして全てのm∈N に対して、
∫AXmdP=∫AE(η∣Fm)dP=∫AηdP
であるため、
∫AX∞dP===m→∞lim∫AXmdPm→∞lim∫AηdP∫AηdP
したがって、L の定義により、A∈L である。結論として、
A∈P⟹A∈LP⊂L
Part 5.
ドゥーブのπ-λ定理: πシステムP がλシステムL の部分集合である場合、P⊂σ(P)⊂L を満たすシグマ場σ(P) が存在する。
σ(P)===σ(n∈N⋃Fn)n=1⨂∞FnF∞
ドゥーブのπ-λ定理により、次を満たすシグマ場F∞ が存在する。
A∈F∞⟹∫AX∞dP=∫AηdP
したがって、全てのA∈F∞ に対して、
∫AX∞dP=∫AηdP=∫AE(η∣F∞)dP
である。X∞ とE(η∣F∞) はF∞-可測であるため、ルベーグ積分の性質によりほとんど確実にX∞=E(η∣F∞) である。元に定義した通り、Xn とX∞ で、
n→∞limE(η∣Fn)===n→∞limXnX∞E(η∣F∞)
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参考