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集合のデカルト積 📂集合論

集合のデカルト積

定義 1

  1. 任意の二つの対象 $a$、$b$ に対して、$(a,b)$ を順序対と言う。
  2. 任意の二つの集合 $A$、$B$ について、$a \in A$、$b \in B$ の順序対 $(a,b)$ の集合を$A$、$B$ のデカルト積と言い、以下のように表す。 $$ A \times B := \left\{ (a,b): a \in A \land b \in B \right\} $$

説明

デカルト積で「積」という言葉が使用される理由は、集合が持つ元の数を考えた時に$| A \times B | = | A | \times |B|$ になるからだ。一つの集合 $X$ について、$X \times X$ は$X^{2}$ のように表されるが、実数の集合 $\mathbb{R}$ を考えると、$\mathbb{R}^2 = \mathbb{R} \times \mathbb{R}$ は座標平面の全ての点を元として持つ集合と見ることができる。これは数直線の全ての点を持つ$\mathbb{R}$ を掛けることで、座標平面$\mathbb{R}^2$ を得ることができるということだ。デカルト積で「デカルト」という表現が使われる理由は、この座標平面を考案し、数学界に導入して解析幾何学の世界を開いた人がデカルトだったからだ。デカルトがカントールよりもずっと前の人物であり、集合論に直接的な貢献はなかったが、概念的に前進していたため、この名前の主役になる資格は十分あると言えるだろう。

このようなデカルト積は、もちろん一般化が可能であり、例えば、三次元空間 $\mathbb{R}^{3}$ や一般的なユークリッド空間$\mathbb{R}^{p}, p \in \mathbb{N}$ も考えられる。想像するのは難しいかもしれないが、デカルト積は自然数を越えても拡張される。

定理

一方、デカルト積に対して、以下の分配法則が成立する。

分配法則

任意の集合 $A$、$B$、$C$ に対して: $$ A \times (B \cap C) = ( A \times B) \cap (A \times C) \\ A \times (B \cup C) = ( A \times B) \cup (A \times C) \\ A \times (B \setminus C) = ( A \times B) \setminus (A \times C) $$

参照


  1. 翻訳:イ・フンチョン、リン・ヨウフォン。(2011)。集合論(Set Theory: An Intuitive Approach):p129~131。 ↩︎