条件付き確率の性質들
📂確率論条件付き確率の性質들
定理
確率空間 (Ω,F,P) とサブシグマフィールド G⊂F が与えられているとする。
- [1] すべての B∈G に対して、0≤P(B∣G)≤1 がある。
- [2] 確率の連続性:ネストしたシーケンス {Bn}n∈N⊂G に対して
n→∞limBn=B⟹P(Bn∣G)→P(B∣G) a.s.
- [3] {Bn}n∈N が Ω のパーティションであれば
P(n∈N⨆Bn∣G)=n∈N∑P(Bn∣G)
- イベントのシーケンス {Bn}n∈N⊂G がネストしているとは、以下の二つの性質のどちらかを持っているという意味である。
∀n∈N,Bn⊂Bn+1⟺Bn⊂Bn+1⊂⋯∀n∈N,Bn⊂Bn−1⟺Bn⊂Bn−1⊂⋯
- ネストしたシーケンスは、あるイベント B∈G に対して以下のような性質を持つことができる。
∀n∈N,Bn⊂Bn+1∧n∈N⋃Bn=B⟹n→∞limBn=B∀n∈N,Bn⊂Bn−1∧n∈N⋂Bn=B⟹n→∞limBn=B
- ⨆ は相互排他的な集合同士の和集合を意味する記号である。
証明
[1]
P は確率であるから、条件付き確率と条件付き期待値の定義に従って、すべての A∈G に対して
∫A0dP≤==≤∫AP(B∣G)dP∫AE(1B∣G)dP∫A1BdP∫A1dP
∀A∈F,∫Afdm=0⟺f=0 a.e. であるため、0≤P(B∣G)≤1
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[2]
∀n∈N,Bn⊂Bn+1 の場合のみ成立することを示せば、Bn:=Ω∖An を設定することで、∀n∈N,An⊂An−1 の場合も成立することを示せる。∀n∈N,Bn⊂Bn+1 と仮定すると、条件付き確率の定義と条件付き単調収束定理に従って
n→NlimP(Bn∣G)====n→∞limE(1Bn∣G)E(n→∞lim1Bn∣G)E(1B∣G)P(B∣G)
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[3]
{Bn}n∈N が Ω のパーティションであれば、すべての n∈N に対して、k=1⨆nBk⊂k=1⨆n+1Bk であるから、[2]の確率の連続性により
P(n=1⨆∞Bn∣G)======P(n→∞limk=1⨆nBk∣G)n→∞limP(k=1⨆nBk∣G)n→∞limE(1⨆k=1nBk∣G)n→∞limk=1∑nE(1Bk∣G)n→∞limk=1∑nP(Bk∣G)n=1∑∞P(Bn∣G)
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