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外延性公理 📂集合論

外延性公理

公理 1

$$ \forall A \forall B ( \forall x ( x \in A \iff x \in B) ) $$ 任意の二集合 $A$と$B$に属する要素が同じであれば、二つの集合は同じと言い、$A = B$のように示される。

説明

一方で$A$と$B$が同じではない場合、$A \ne B$のように示される。

二つの集合の同一性は、それ自体が公理でもあり定義でもある。外延性Extensibilityは拡張ではなく外延を意味し、集合は’ある集合’といった曖昧な説明ではなく、見える要素の関係性だけで区別するということである。要素の概念が’私たちの直感または思考の対象として互いに明確に区別されるオブジェクト’であることを考えれば、このアプローチは妥当だと言えるだろう。

もう少し簡単に言えば、外延公理は’要素の本質’などを考えないということである。私たちの直感では $a$も$A$も文字は同じで大小の違いだけだが、そんなことはどうだってよく、$a=A$とするならば同じものとし、$a \ne A$とするならば違うものと見なすということである。

この’同一性’の定義において、集合の要素は順序も重複も持たない。例えば、以下の等式が成り立つ: $$ \left\{ 9, 6, 0, 1, 2, 5 \right\} = \left\{ 0, 1, 2, 5, 6 ,9 \right\} $$

$$ \left\{ y, y, x, y \right\} = \left\{ y , x \right\} $$

$$ \left\{ 1, 5, 0, 4, 2, 1 \right\} = \left\{ 0, 1, 2, 4, 5 \right\} $$

集合の包含関係とともに、次の有用な定理を紹介する。この性質は数学全般で使われるが、特に抽象代数学や位相数学などの純粋数学ではほぼ息をするように使われている。外延公理自体があまりにも常識的であるため、軽視されがちだが、本当に重要な基礎であるから、そうするな。

定理

$$ A = B \iff A \subset B \land B \subset A $$

証明

$$ \begin{align*} A = B \iff & \forall x ( (x \in A) \iff (x \in B)) \\ \iff & \forall x \left( ( x \in A \implies x \in B) \land ( x \in B \implies x \in A) \right) \\ \iff &A \subset B \land B \subset A \end{align*} $$


  1. 이흥천 역, You-Feng Lin. (2011). 집합론(Set Theory: An Intuitive Approach): p75. ↩︎