ピタゴラスの三つ組の一つは必ず3の倍数でなければならない。
定義 1
自然数 が を満たすとき、 や は の倍数だ。
説明
ピタゴラスの数 において、一つは必ず偶数だけではなく、少なくとも一つは の倍数であるとも言える。
証明
ある 自然数 に対して、 で割った余り によって3つに分けて考えよう。
ケース 1. 余りが の場合 よって、二乗数の余りは だ。
ケース 2. 余りが の場合 よって、やはり二乗数の余りは だ。
ケース 3. 余りが の場合
の倍数は、二乗してもやはり で割り切れる。
つまり、すべての二乗数 は、 で割ったとき、余りが か である。
もし と がどちらも の倍数ではないと仮定すると、 と はどちらも余りが となる。従って、 を で割った余りは になる。しかし、前に示したように、すべての二乗数が で割ったときに余りが になることはありえないため、これは矛盾である。したがって、 または が の倍数でなければならない。
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Silverman. (2012). A Friendly Introduction to Number Theory (4th Edition): p18. ↩︎