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ピタゴラスの三つ組の一つは必ず3の倍数でなければならない。 📂整数論

ピタゴラスの三つ組の一つは必ず3の倍数でなければならない。

定義 1

自然数 $a,b,c$ が $a^2 + b^2 = c^2$ を満たすとき、$a$ や $b$ は$3$ の倍数だ。

説明

ピタゴラスの数 において、一つは必ず偶数だけではなく、少なくとも一つは $3$ の倍数であるとも言える。

証明

ある 自然数 $n$ に対して、$3$ で割った余り $1, 2, 0$ によって3つに分けて考えよう。


ケース 1. 余りが $1$ の場合 $$ \begin{align*} (3n+1)^2 &= 9 n^2 + 6n + 1 \\ =& 3( 3 n^2 + 2n) + 1 \end{align*} $$ よって、二乗数の余りは $1$ だ。


ケース 2. 余りが $2$ の場合 $$ \begin{align*} (3n+2)^2 =& 9 n^2 + 12n + 4 \\ =& 3 ( 3 n^2 + 4n + 1 ) + 1 \end{align*} $$ よって、やはり二乗数の余りは $1$ だ。


ケース 3. 余りが $0$ の場合

$3$ の倍数は、二乗してもやはり $3$ で割り切れる。


つまり、すべての二乗数 $n^2$ は、$3$ で割ったとき、余りが $1$ か $0$ である。

もし$a$ と $b$ がどちらも $3$ の倍数ではないと仮定すると、$a^2$ と $b^2$ はどちらも余りが $1$ となる。従って、$c^2 = a^2 + b^2$ を $3$ で割った余りは $2$ になる。しかし、前に示したように、すべての二乗数が $3$ で割ったときに余りが $2$ になることはありえないため、これは矛盾である。したがって、$a$ または $b$ が $3$ の倍数でなければならない。


  1. Silverman. (2012). A Friendly Introduction to Number Theory (4th Edition): p18. ↩︎