コーシー・シュヴァルツの不等式の証明
定理
$$ ({a}^{2}+{b}^{2})({x}^{2}+{y}^{2})\ge { (ax+by) }^{ 2 } $$
証明
$$ \begin{align*} & ({a}^{2}+{b}^{2})({x}^{2}+{y}^{2})-{ (ax+by) }^{ 2 } \\ =& {a}^{2}{x}^{2}+{b}^{2}{x}^{2}+{a}^{2}{y}^{2}+{b}^{2}{y}^{2}-{ (ax+by) }^{ 2 } \\ =& {b}^{2}{x}^{2}+{a}^{2}{y}^{2}-2axby \\ =& { (ay-bx) }^{ 2 } \\ \ge& 0 \end{align*} $$ よって、下記を得る。 $$ ({a}^{2}+{b}^{2})({x}^{2}+{y}^{2})\ge { (ax+by) }^{ 2 } $$
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説明
高校の授業から接することができる不等式で、分野を問わず多くの場所で使用されている。代数的証明は非常に簡単である。
証明プロセスで分かるように、等号が成立するのは$ay-bx=0$の場合のみである。コーシー・シュワルツの不等式は、証明中に現れる項を含め、方程式の形で表すこともできる。
$$ ({a}^{2}+{b}^{2})({x}^{2}+{y}^{2})={ (ax+by) }^{ 2 }+{ (ay-bx) }^{ 2 } $$
これはある平方数の和が他の平方数の和の積として表されることを示唆している。