ボレル集合
定義 1
$\mathcal{F}$ をユークリッド空間 $\mathbb{R}$のシグマ場と言おう。
$\displaystyle \mathcal{B} : = \bigcap \left\{ \mathcal{F} : \mathcal{I} \subset \mathcal{F} \right\}$ は全ての区間の集まり $\mathcal{I}$ によって生成されたと言われる。$B \in \mathcal{B}$ を ボレル集合borel setと言い、$\mathcal{B}$ を ボレルシグマ場 と呼ぶ。
- $\mathcal{I}$ は全ての区間の集まりです。
説明
簡単に言えば、全ての可能な区間を持っているシグマ代数の中で最も小さいものだ。必要なものだけを残して不要なものを排除するイメージを持つと良い。
複雑な定義とは裏腹に、ボレル集合の用途は様々で、特に確率論を記述する際に便利だ。定義によれば、ボレル集合は区間同士の和集合や交差点として現れ、例として区間、開集合、加算集合などがある。ここでボレルシグマ場の真の意図を理解する必要がある。ボレル集合は「区間」であることが重要なのではなく、「開集合」と「閉集合」で構成された集合であることが重要なのだ。
ボレル集合を考えることで、位相数学の様々な定理を使用できるようになる。実際、位相空間自体も、測度論の多くの応用分野において十分に一般的で抽象的だ。この議論を受け入れれば、次のようにボレルシグマ場も簡単に受け入れられるようになる:
- ボレルシグマ場は単に位相数学を使うために制限を設けたものだ。
- ボレルシグマ場はかなり小さく、考慮すべきことがあまりない。
- だから、通常はボレルシグマ場だけを前提としている。
集合の集合の集合の交差点
正直に言って、ボレルシグマ場の定義は反吐が出る。区間が集合なのだから、$\mathcal{I}$ は自然に集合の集まりだ。でも、$\mathcal{I}$ を含むシグマ場を集めてみると、それは集合の集合の集まりになる。そして、ボレルシグマ場はそれらの交差点だ。理解するのが難しいのは当然だ。
定理
$\mathcal{M}$ を$X = \mathbb{R}$ の可測集合の集まり、すなわち全ての区間を含むあるシグマ場とするシグマ代数としよう。これに対して、以下が成り立つ。
- [1] σ-場同士の交差点はσ-場であり、したがって$\mathcal{B}$もσ-場である。
- [3]: $\mathcal{N} \subseteq \mathcal{B} \subsetneq \mathcal{M}$
- [4]: あらゆる$ E \in \mathcal{M}$に対して、以下を満たす$B \in \mathcal{B}$が存在する: $$ E \subset B \\ m(E ) = m(B) \\ m(B \setminus E) = 0 $$
一般化
Capinski. (1999). Measure, Integral and Probability: p40. ↩︎