指数補助補題の証明
📂整数論指数補助補題の証明
定理
n∈N、x,y∈Z、素数 p=2 が
gcd(n,p)=1p∣(x−y)p∤xp∤y
を満たすとき
vp(xn−yn)=vp(x−y)+vp(n)
- vp(a) は a の p進数展開を意味する。
証明
戦略:p進数展開の性質から自然に導かれる。ただし、それらの性質を証明する過程はかなり長い。キーは、まずそれらの性質を提示することで、初等的な整数論の知識だけで証明できるので、怖がらずに挑戦してみよう。
補助定理(p進数の性質):
- [3]: n∈N、x,y∈Z、素数 p が
gcd(n,p)=1p∣(x∓y)p∤xp∤y
を満たすとき
vp(xn±yn)=vp(x±y)
- [4]: x,y∈Z、素数 p=2 が
p∣(x−y)p∤xp∤y
を満たすとき
vp(xp−yp)=vp(x−y)+1
n:=pαbgcd(p,b)=1
上の2つの条件を満たすように 自然数 n,b,α を選ぶと vp(n)=α となる。それから補助定理 [3]を使って
vp(xn−yn)===vp([xpα]b−[ypα]b)vp(xpα−ypα)vp([xpα−1]p−[ypα−1]p)
補助定理 [4]を使って再帰的に解くと
vp([xpα−1]p−[ypα−1]p)=====vp([xpα−1]−[ypα−1])+1vp([xpα−2]p−[ypα−2]p)+1vp([xpα−2]−[ypα−2])+2⋮vp(x−y)+αvp(x−y)+vp(n)
まとめると、以下を得る。
vp(xn−yn)=vp(x−y)+vp(n)
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