測度論によって定義される確率の収束
確率収束の難しい定義
確率空間 $( \Omega , \mathcal{F} , P)$ が与えられたとしよう。
確率変数のシーケンス $\left\{ X_{n} \right\}_{n \in \mathbb{N}}$ が確率変数 $X$ へ測度収束するならば、確率収束すると言い、$X_{n} \overset{P}{\to} X$として示される。
- 測度論にまだ触れていなければ、確率空間という言葉を無視しても良い。
説明
$\left\{ X_{n} \right\}_{n \in \mathbb{N}}$ が $X$ に収束するというのは、全ての $\varepsilon > 0$ に対して $$ \lim_{n \to \infty} P \left( \left\{ \omega \in \Omega : | X_{n}(\omega) - X(\omega) | \ge \varepsilon \right\} \right) = 0 $$ ということで、もう少し馴染みやすい形に変えると次のようになる。 $$ \lim_{n \to \infty} P \left( | X_{n}(\omega) - X(\omega) | < \varepsilon \right) = 1 $$ 確率変数のシーケンスは確率過程なので、確率過程論で有用に使えると推測できる。
測度収束から受け継がれた確率収束の性質:
- [3] $X_{n}$ が $X$ へほとんど確実に収束するならば、確率収束する。
- [4] $X_{n}$ が $X$ へ$\mathcal{L}_{p}$ 収束するならば、確率収束する。
確率 $P$ は測度なので、測度収束の性質をそのまま受け継ぐ。
参照
- 数理統計学で定義された確率収束
- ほとんど確実に収束する $\implies$ 確率収束 $\implies$ 分布収束
- $\mathcal{L}_{p}$ 収束 $\implies$ 確率収束