グリーンの定理
📂偏微分方程式グリーンの定理
定理
u,v∈C2(Uˉ)としよう。それでは、以下の式が成り立つ。
(i) ∫UΔudx=∫∂U∂ν∂udS
(ii) ∫UDv⋅Dudx=−∫UuΔvdx+∫∂U∂ν∂vudS
(iii) ∫U(uΔv−vΔu)dx=∫∂U(∂ν∂vu−∂ν∂uv)dS
これらをまとめて グリーンの公式Green’s formulaという。
証明
部分積分公式
u,v∈C1(Uˉ)とする。それでは、以下の式が成り立つ。
∫Uuxivdx=−∫Uuvxidx+∫∂UuvνidS(i=1,…,n)
(i)
部分積分公式において、uの代わりにuxiを、vの代わりに1を代入すると、以下の式を得る。
∫Uuxixidx=∫∂UuxiνidS(i=1,⋯,n)
全てのi=1,⋯,nに対して加算すると、以下のようになる。
∫U(ux1x1+⋯+uxnxn)dx=∫∂U(ux1ν1+⋯uxnνn)dS
ラプラシアンの定義と∂ν∂u:=ν⋅Duにより、次が成り立つ。
∫UΔudx=∫∂U∂ν∂udS
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(ii)
部分積分公式において、vの代わりにvxiを代入すると、以下の式を得る。
∫Uuxivxidx=−∫Uuvxixidx+∫∂UuvxiνidS(i=1,⋯,n)
全てのi=1,⋯,nに対して加算すると、以下のようになる。
∫U(ux1vx1+⋯+uxnvxn)dx=−∫Uu(vx1x1+⋯vxnxn)dx+∫∂U(vx1ν1+⋯vxnνn)udS
整理すると、以下のようになる。
∫UDu⋅Dvdx=−∫UuΔvdx+∫∂U∂ν∂vudS
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(iii)
(ii)でuとvの位置を入れ替えると、以下の式を得る。
∫UDu⋅Dvdx=−∫UvΔudx+∫∂U∂ν∂uvdS
この式から(ii)を引くと、以下のようになる。
0=−∫U(vΔu−uΔv)dx+∫∂U(∂ν∂uv−∂ν∂vu)dS
整理すると、次を得る。
−∫U(vΔu−uΔv)dx=∫∂U(∂ν∂vu−∂ν∂uv)dS
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参照