量子力学における水素原子の最小エネルギー
📂量子力学量子力学における水素原子の最小エネルギー
定理
水素原子の最小エネルギーは次の通りだ。
Emin=−21mc2α2
mは水素原子の質量、cは光速、αは微細構造定数だ。
説明
ここで、αはα=ℏce2のように定義される微細構造定数fine structure constantであり、その値はα≃1371だ。
証明
水素原子のエネルギーEは
E=2mp2−re2=2m1r2ℏ2−re2
不確定性原理により
pr≃ℏ
Eが最小である場合を求めるためには
∂r∂Er=r0=0−mr03ℏ2+r02e2=0−mℏ2+e2r0=0r0=me2ℏ2
⟹Emin=2mℏ2ℏ4m2e4−ℏ2me4=2ℏ2me4−ℏ2me4=−21ℏ2me4=−21ℏ2c2me4c2=−21mc2α2
よって、水素原子の最小エネルギーは
Emin=−21mc2α2
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