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電場の回転 📂電磁気学

電場の回転

定理

電場カール(回転)は常に$\mathbf{0}$である。

$$ \nabla \times \mathbf{E} = \mathbf{0} $$

証明1

点電荷が原点にある特別な場合の結果から一般的な結果を導くことにする。原点から距離$r$の場所での点電荷による電場は以下の通りである。

$$ \mathbf{E}=\dfrac{1}{4 \pi \epsilon_{0} } \dfrac{q}{r^2} \hat{\mathbf{r}} $$

点$\mathbf{a}$から点$\mathbf{b}$までの球座標系における電場の経路積分を行うと、次のようになる。

$$ \begin{align*} \int_\mathbf{a} ^\mathbf{b} \mathbf{E} \cdot d\mathbf{l} =&\ \int_\mathbf{a}^\mathbf{b} \left( \dfrac{1}{4 \pi \epsilon_{0}} \dfrac{q}{r^2} \hat{\mathbf{r}} \right) \cdot \left( dr \hat{\mathbf{r}} + rd\theta\hat{\boldsymbol{\theta}} + r\sin\theta d\phi \hat{\boldsymbol{\phi}} \right) \\ =&\ \int_\mathbf{a}^\mathbf{b} \dfrac{1}{4\pi\epsilon_{0}}\dfrac{q}{r^2}dr \\ =&\ \dfrac{q}{4 \pi \epsilon_{0}} \int_\mathbf{a}^\mathbf{b} \dfrac{1}{r^2} dr = \dfrac{q}{4 \pi \epsilon_{0}} \left[ -\dfrac{1}{r} \right]_{r_{a}}^{r_{b}} \\ =&\ \dfrac{q}{4 \pi \epsilon_{0}} \left( \dfrac{1}{r_{a}}-\dfrac{1}{r_{b}} \right) \end{align*} $$

ここで、$r_{a}$と$r_{b}$は原点から点$\mathbf{a}$、点$\mathbf{b}$までの距離である。上の積分結果からわかるように、閉じた経路に対する積分は$0$である。

$$ \oint \mathbf{E} \cdot d \mathbf{l} = 0 $$

ストークスの定理

$$ \int_{\mathcal{S}} \left( \nabla \times \mathbf{v} \right) \cdot d\mathbf{a} = \oint _{\mathcal{P} }\mathbf{v} \cdot d \mathbf{l} $$

ストークスの定理を用いると

$$ \int \left( \nabla \times \mathbf{E} \right) \cdot d\mathbf{a} =\oint \mathbf{E} \cdot d\mathbf{l}=0 $$

したがって、$\nabla \times \mathbf{E} = \mathbf{0}$であることがわかる。任意の面積に対する積分でも結果が$\mathbf{0}$でなければならないので、$\nabla \times \mathbf{E} = \mathbf{0}$であるしかない。

複数の点電荷に対する電場は、各点電荷に対する電場を足し合わせるのと同じである。連続的に分布した電荷に対しては、$\sum$を$\int$に変えるだけで良い。したがって、$\mathbf{E}=\mathbf{E}_{1} + \mathbf{E}_2+\mathbf{3}+\cdots$であり、各電場のカールが$\mathbf{0}$であるため、その合計も当然$\mathbf{0}$である。

$$ \begin{align*} \nabla \times \mathbf{E} =&\ \nabla \times (\mathbf{E}_{1} + \mathbf{E}_2+\mathbf{3}+\cdots ) \\ =&\ (\nabla \times \mathbf{E}_{1}) +(\nabla \times \mathbf{E}_2 )+(\nabla \times \mathbf{E}_{3})+\cdots \\ =&\ \mathbf{0} \end{align*} $$


  1. David J. Griffiths, 기초전자기학(Introduction to Electrodynamics, 김진승 역) (4th Edition, 2014), p84-85 ↩︎