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熱力学の第一法則 📂熱物理学

熱力学の第一法則

法則

熱エネルギーが$Q$の系に対して働ける仕事が$W$の時、内部エネルギー$U$に対して次の式が成り立つ。

$$ d U = \delta Q + \delta W $$

$\delta$は不完全微分inexact differentialを示している。

説明

これらは綺麗な形で原始関数が存在しないため、線積分を通して計算しなければならない。内部エネルギーの変化だけでは具体的に熱エネルギーがどれだけ変わったのか、仕事がどれだけ変わったのかわからないことを意味する。例えば$10 = 2 + 8$でも$10 = -5 + 15$でも左辺は同じく$10$であることを考えると役立つだろう。

しかし、これはただの熱力学第一法則の限界に過ぎないという話であり、言いたいことの本質ではない。逆に言えば、熱エネルギーと仕事がどうであれ、内部エネルギーの変化は綺麗に計算できるということだ。熱力学第一法則から導かれる式には次のようなものがある。

式1

20180720\_152147.png

ピストンが押した距離$dx$と力$F$について$\delta W = F dx$


実は、この形は熱力学ではほとんど使用されない。ピストンの面積$A$に対して圧力$p$と力$F$は$F = pA$と表せるので、$A dx = - dV$である。

式2

20180720\_152200.png

圧力$p$と体積$V$について$\delta W = - p d V$


上とは異なり、この形はかなり頻繁に使用されるので、特に符号に注意して覚えておくこと。

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