平均と分散の性質들
📂数理統計学平均と分散の性質들
定理
平均 E(X)=μX と分散 Var(X)=E[(X−μX)2] は以下の性質を持っている。
- [1]: E(X+Y)=E(X)+E(Y)
- [2]: E(aX+b)=aE(X)+b
- [3]: Var(X)≥0
- [4]: Var(X)=E(X2)−μX2
- [5]: Var(aX+b)=a2Var(X)
説明
平均と分散に関するものなので、非常に重要な性質だ。特に[1]と[2]はいわゆる線形性linearityと呼ばれる性質で、式を扱う時にとても便利にしてくれる。
証明
[1]
離散的な場合
E(X+Y)===∑(xp(x)+yp(y))∑xp(x)+∑yp(y)E(X)+E(Y)
連続的な場合
E(X+Y)===∫−∞∞∫−∞∞(x+y)f(x,y)dxdy∫−∞∞∫−∞∞xf(x,y)dxdy+∫−∞∞∫−∞∞yf(x,y)dxdyE(X)+E(Y)
■
[2]
離散的な場合
E(aX+b)===∑(axp(x)+bp(x))a∑xp(x)+b∑p(y)aE(X)+b
連続的な場合
E(aX+b)====∫−∞∞(ax+b)f(x)dx∫−∞∞axf(x)dx+∫−∞∞bf(x)dxa∫−∞∞xf(x)dx+b∫−∞∞f(x)dxaE(X)+b
■
[3]
(X−μX)2≥0 であるから Var(X)=E[(X−μX)2]≥0
■
[4]
Var(X)====E[(X−μX)2]E(X2−2μXX+μX2)E(X2)−2μXE(X)+μX2E(X2)−μX2
■
[5]
定理 [2] によると Y=aX+b だったら μY=aμX+b で
Var(Y)====E[(Y−μY)2]E[(aX+b−aμX−b)2]E[a2(X−μX)2]a2Var(X)
■