素数分解の定理
定理 1
素数 が自然数 を に割る場合、 は少なくとも のいずれか一つを割るべきである。
説明
は が の倍数、すなわち が を割るということだ。一見すると当たり前のようだけれど、きちんと証明が必要な素数だけの性質だ。素数でなくても、この定理が常に成り立つかを考えてみよう。
証明
まず を二つの自然数の積、つまり として、 が と の両方を割れないと仮定してみる。
2変数1次方程式に対する整数解の存在性:二つの整数 に対して、 は必ず整数解を持つ。
は を割らないから、 は の倍数ではなく、 が素数であるために となる。したがって を満たす が存在する。ここで両側に を掛けると となる。仮定から は の倍数であり、 はそもそも が掛けられているから、明らかに の倍数だ。したがって は の倍数で、これは仮定に反するので、 は と のどちらか一方を割らなければならない。
再び に戻ると、上記の議論により、 は か のどちらか一方を割らなければならない。
を割らなくても、 に対して同じ議論を再度適用してみれば、結局、 は のいずれかを割らなければならないことになる。
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Silverman. (2012). A Friendly Introduction to Number Theory (4th Edition): p47. ↩︎