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三角関数の語源 (さんかくかんすうのごげん) 📂関数

三角関数の語源 (さんかくかんすうのごげん)

説明

数学では、三角関数trigonometric functionと呼ばれるものがある。$\sin, \cos, \tan, \sinh, \sec, \dots$などがそれにあたる。これらはすべて基本的に三角形に関連しているため、一緒にまとめて三角関数と呼ばれる。各々の名前もまた、三角形と関連した幾何学的な意味から由来していることが多い。

$\sin$

上の図のような直角三角形が与えられたとしよう。底辺と斜辺の間の角度を$\theta$とすると、次のように定義される$\sin \theta$をサイン関数sine functionと呼ぶ。

$$ \sin \theta := \dfrac{y}{\sqrt{x^{2}+y^{2}}} $$

サイン関数の表記法$\sin$は、sineを短縮したものだ。これはラテン語のsinusに由来し、「曲げる、曲がった部分」という意味を持つ。サイン関数のグラフは、斜辺と高さの比率で描かれる曲線の形状をしているため、このような名前が付けられたと言われている。1

$\cos$

$\cos$は、次のように定義される関数で、コサイン関数cosine functionと呼ばれる。

$$ \cos \theta := \sin \theta^{\prime} = \dfrac{x}{\sqrt{x^{2}+y^{2}}} $$

三角関数の名前には接頭語co-が付くものが多いが、これはcomplementary相互補完的なの略称である。1620年にEdmund Gunterが彼の著書で「cosinus」を使用したのが最初だと言われる。幾何学的には、サイン関数で定義された角以外の他の鋭角に対するサイン関数である。

$\tan$

$\tan$は、次のように定義される関数で、タンジェント関数tangent functionと呼ばれる。

$$ \tan \theta := \dfrac{y}{x} = \dfrac{\sin \theta}{\cos \theta} $$

下の図を見ると、底辺の長さが$1$の三角形のタンジェントは、単位円の接線の長さと関連があるとわかる。そのため、接線tangentから名前を取って$\tan$とされる。

$\sec$

$\sec$は、次のように定義される関数で、セカント関数secant functionと呼ばれる。

$$ \sec \theta := \dfrac{1}{\cos \theta} = \dfrac{\sqrt{x^{2}+y^{2}}}{x} $$

下の図を見ると、底辺の長さが$1$の三角形のセカントは、単位円の割線の長さと関連があるとわかる。そのため、割線secantから名前を取って$\sec$とされる。

$\csc$, $\cot$

$\csc$はcosecantの略称で、$\cos$の場合と同様に直角三角形における残りの角に対するsecantを意味する。サイン関数の逆数と値が同じである。

$$ \csc \theta := \dfrac{1}{\cos \theta^{\prime}} = \dfrac{1}{\sin \theta} = \dfrac{\sqrt{x^{2}+y^{2}}}{y} $$

$\cot$はcotangentの略称で、上記の場合と同様に直角三角形における残りの角に対するtangentを意味する。タンジェント関数の逆数と値が同じである。

$$ \cot \theta := \tan \theta^{\prime} = \dfrac{x}{y} = \dfrac{1}{\tan \theta} = \dfrac{\cos \theta}{\sin \theta} $$