エゴロフの定理
定理1 2
$(X, \mathcal{E}, \mu)$を$\mu (X) \lt \infty$という測度空間としよう。$f$を可測関数、$\left\{ f_{n} \right\}$をほぼどこでも$f$に収束する可測関数列とする。
$$ f_{n} \to f \text{ a.e. } $$
すると、すべての$\epsilon \gt 0$に対して、以下を満たす$E \subset X$が存在する
$$ \mu (E) \lt \epsilon \quad \text{ and } \quad f_{n} \rightrightarrows f \text{ on } E^{c} $$
説明
この定理は、端的に言えば、可測関数に関しては、点収束と一様収束がほぼ同じであることを言っている。
定理で述べられているような収束をほぼ一様収束ともいう。以下が成立するとき、$f_{n}$が$f$にほぼ一様に収束すると言う。
$$ \forall \epsilon \gt 0,\quad \exists E \subset \mathcal{E} \text{ such that } \mu (E) \lt \epsilon \text{ and } f_{n} \rightrightarrows f \text{ on } E^{c} $$
以下の事実が成立する。ほぼ一様に収束すると、
- ほぼどこでも収束する。
- 測度収束する。
証明
一般性を失わずに、すべての$x \in X$に対して$f_{n} \to f$と仮定しよう。$k, n \in \N$に対して、$E_{n}(k)$を次のように置こう。
$$ E_{n}(k) = \bigcup \limits_{m = n}^{\infty} \left\{ x : \left| f_{m}(x) - f(x) \right| \ge \frac{1}{k} \right\} \tag{1} $$
すると、固定された$k$に対して$E_{n+1}(k) \subset E_{n}(k)$を満たし$f_{n} \to f$であるため、以下が成立する。
$$ \bigcap\limits_{n=1}^{\infty} E_{n}(k) = \varnothing $$
$\mu (X) \lt \infty$と仮定されているため、$\mu (E_{n}(k)) \to 0 \text{ as } n \to \infty$となる。それゆえ、与えられた$\epsilon \gt 0$と$k \in \N$に対して、$\mu \left( E_{n_{k}}(k) \right) \lt \epsilon 2^{-k}$となる十分に大きな$n_{k}$を一つ選ぼう。そして$E = \cup_{k=1}^{\infty} E_{n_{k}}(k)$と置こう。すると$\mu (E) \lt \epsilon$である。
また、$x \notin E$であれば、すべての$k$に対して$x \notin E_{n_{k}}(k)$であり、定義$(1)$により、以下が成立する。
$$ \left| f_{n}(x) - f(x) \right| \lt \frac{1}{k} \text{ for } n \gt n_{k} $$
したがって、$f_{n} \rightrightarrows f \text{ on } E^{c}$である。
■