合併の生成は生成の和と等しい
定理1
$S_{1}, S_{2}$をベクトル空間$V$の部分集合としよう。すると、次が成り立つ。
$$ \span(S_{1} \cup S_{2}) = \span(S_{1}) + \span(S_{2}) $$
ここで、$\span$は生成を意味し、$+$は集合の和を意味する。
証明
$\span(S_{1} \cup S_{2}) \subset \span(S_{1}) + \span(S_{2})$
$v \in \span(S_{1} \cup S_{2})$とする。すると、$v$は以下のように表現できる。 $$ v = \sum\limits_{i=1}^{n}a_{i}x_{i} + \sum\limits_{j=1}^{m}b_{j}y_{j},\quad x_{i}\in S_{1},\ y_{j} \in S_{2} $$ 最初の和は$\span(S_{1})$に属し、二つ目の和は$\span(S_{2})$に属する。従って、$v \in \span(S_{1}) + \span(S_{2})$である。
$\span(S_{1} \cup S_{2}) \supset \span(S_{1}) + \span(S_{2})$
$$ u = \sum\limits_{i=1}^{n}a_{i}x_{i} \quad \text{and} \quad v = \sum\limits_{j=1}^{m}b_{j}y_{j},\quad x_{i} \in S_{1},\ y_{j} \in S_{2} $$ このような$u \in \span(S_{1}), v \in \span(S_{2})$について、$u + v \in \span(S_{1}) + \span(S_{2})$とする。すると、$u + v = \sum\limits_{i=1}^{n}a_{i}x_{i} + \sum\limits_{j=1}^{m}b_{j}y_{j}$が成り立つので、$u + v \in \span(S_{1} \cup S_{2})$である。
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Stephen H. Friedberg, Linear Algebra (4th Edition, 2002), p34 ↩︎