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位置に依存する質量:チェーンで繋がれたボールの運動 📂古典力学

位置に依存する質量:チェーンで繋がれたボールの運動

概要1

チェーンがついた球が垂直方向に動く場合を考えてみよう。チェーンが十分に長く球が上下に動いて空中に浮かんでいるチェーンの長さが絶えず変わるとしよう。そうすると、球の位置に応じて物体全体の質量が変わることになる。つまり、物体の質量が位置に依存することになる。この運動について分析する。

チェーンがつながった球の運動

chained_ball.png

質量がmmの球が上図のようにチェーンにつながっているとしよう。チェーン一つの長さは11、質量はρ\rhoとしよう。問題を簡単に考えるために、チェーンは体積がなく(重なっていなくて)端と端がつながっている状態だとしよう。そうするとこの物体「チェーンがつながった球」の質量は位置に依存する関数になる。xxを地面から球の底(球とチェーンの接続点)までの距離とすると、チェーンがつながった球の質量はM(x)=m+ρxM(x) = m + \rho xになる。そうするとこの物体の運動方程式は以下のようになる。

dpdt=F    ddt[(m+ρx)x˙]=mg \dfrac{d p}{d t} = F \implies \dfrac{d}{dt}\left[ (m + \rho x)\dot{x} \right] = -mg

上の式を不定積分すると、以下を得る。

mx˙+ρxx˙=mgt+C1 \begin{equation} m\dot{x} + \rho x \dot{x} = -mgt + C_{1} \end{equation}

一方、上記の式の左辺を変えて積分すると、以下を得る。

ddt[mx+ρx22]=mgt+C1 \dfrac{d}{dt} \left[ mx + \dfrac{\rho x^{2}}{2} \right] = -mgt + C_{1}

    mx+ρx22=mg2t2+C1t+C2 \begin{equation} \implies mx + \dfrac{\rho x^{2}}{2} = -\dfrac{mg}{2}t^{2} + C_{1}t + C_{2} \end{equation}

初期条件をx(0)=x0x(0) = x_{0}x˙(0)=v0\dot{x}(0) = v_{0}とすると、(1)(1)(2)(2)により、2つの定数は以下のようになる。

mv0+ρx0v0=C1    C1=(m+ρx0)v0 m v_{0} + \rho x_{0} v_{0} = C_{1} \implies C_{1} = (m + \rho x_{0}) v_{0}

mx0+ρx022=C2    C2=(m+ρx02)x0 m x_{0} + \dfrac{\rho x_{0}^{2}}{2} = C_{2} \implies C_{2} = \left( m + \dfrac{\rho x_{0}}{2} \right) x_{0}

最高高度に到達する時間をtt_{\ast}としよう。そうすると、x˙(t)=0\dot{x}(t_{\ast}) = 0であるため、(2)(2)により、

t=C1mg=m+ρx0v0mg t_{\ast} = \dfrac{C_{1}}{mg} = \dfrac{m + \rho x_{0} v_{0}}{mg}

また、最高高度をx(t)=xx(t_{\ast}) = x_{\ast}としよう。(3)(3)tt_{\ast}を代入すると、

mx+ρx22=(m+ρx0)2v022mg+(m+ρx0)2v02mg+(m+ρx02)x0 m x_{\ast} + \dfrac{\rho x_{\ast}^{2}}{2} = -\dfrac{(m + \rho x_{0})^{2} v_{0}^{2}}{2mg} + \dfrac{(m + \rho x_{0})^{2}v_{0}^{2}}{mg} + \left( m + \dfrac{\rho x_{0}}{2} \right)x_{0}

これをxx_{\ast}に関する2次式で整理すると、

x2+2mρx[(m+ρx0)2v02mgρ+(2mρ+x0)x0]=0 x_{\ast}^{2} + \dfrac{2m}{\rho}x_{\ast} - \left[ \dfrac{(m + \rho x_{0})^{2} v_{0}^{2}}{mg\rho} + \left(\dfrac{2m}{\rho} + x_{0}\right)x_{0} \right] = 0

位置の初期値を地面x0=0x_{0} = 0とすると、

x2+2mρxmv02gρ=0 x_{\ast}^{2} + \dfrac{2m}{\rho}x_{\ast} - \dfrac{m v_{0}^{2}}{g \rho} = 0

根の公式xx_{\ast}の値を計算すると、x<0x_{\ast} \lt 0の場合を除いて、以下のようになる。 x=mρ+124mρ(mρ+v02g) x_{\ast} = -\dfrac{m}{\rho} + \dfrac{1}{2} \sqrt{\dfrac{4m}{\rho}\left( \dfrac{m}{\rho} + \dfrac{v_{0}^{2}}{g}\right)}

質量が一定の球の垂直運動の場合、最高高度がx=v022gx_{\ast} = \dfrac{v_{0}^{2}}{2g}であることに比べて、かなり複雑に表される。

参照


  1. Jan Awrejcewicz, Classical Mechanics, p355-357 ↩︎