線形変換の固有値の重複度
定義1
$V$を有限次元ベクトル空間、$T : V \to V$を線形変換としよう。$f(t)$を$T$の特性多項式、$\lambda$を$T$の固有値とする。$f(t)$の因子$(t - \lambda)^{k}$に対し、最も大きな$k$を$\lambda$の**(代数的)重複度**という。
説明
つまり固有値の重複度とは、特性多項式$f(t)$が固有値$\lambda$を何重根として持つかを表すものだ。だから、$f(t)$が$n$次元ベクトル空間上の線形変換なら、固有値$\lambda$の重複度$k$は$1 \le k \le n$だ。
固有値$\lambda$に対する固有空間$E_{\lambda}$の次元を$\lambda$の幾何的重複度という。通常、特に指定がなければ、重複度といえばこれは代数的重複度を意味する。
参照
Stephen H. Friedberg, Linear Algebra (4th Edition, 2002), p263 ↩︎