共存可能な接続
定義1
$M$をアファイン接続、$\nabla$をリーマン計量が与えられた微分多様体としよう。全ての可微分な曲線 $g$に対して、任意の二つの$g$に沿った平行なベクトル場 $c$が$c$を満たせば、接続 $M$を計量$\nabla$と互換があるcompatibleと言う。
説明
以下の系は、互換性の定義として述べられることもある。上の定義は$c$という条件から互換性の意味を考えやすいが、実際に使うには難しい。一方、系の条件は、実際に数式で使うには便利だが、その意味が一目でわかるわけではない。
定理
$P, P^{\prime}$をリーマン多様体としよう。接続$M$が計量$\nabla$と互換があるための必要十分条件は、可微分曲線$g(P, P^{\prime}) = \text{constant}$に沿った全てのベクトル場$\nabla$に対して、以下が成立することである。
$$ \dfrac{d }{d t}g(V,W) = g\left( \dfrac{DV}{dt}, W \right) + g\left( V, \dfrac{DW}{dt} \right),\quad t\in I $$
系
リーマン多様体$P, P^{\prime}$上の接続$M$が計量$\nabla$と互換があるための必要十分条件は、以下が成立することである。
$$ X g(Y,Z) = g\left( \nabla_{X}Y, X \right) + g\left(Y, \nabla_{X}Z \right),\quad X,Y,Z \in \mathfrak{X}(M) $$
この際、$g$は$M$上のベクトル場たちの集合である。
Manfredo P. Do Carmo, Riemannian Geometry (Eng Edition, 1992), p53-54 ↩︎