有限次元ベクトル空間間の線形変換
定理1
$V, W$をベクトル空間とする。$\left\{ \mathbf{v}_{1}, \mathbf{v}_{2}, \dots, \mathbf{v}_{n} \right\}$と$\left\{ \mathbf{w}_{1}, \mathbf{w}_{2}, \dots, \mathbf{w}_{n} \right\}$をそれぞれ$V, W$の基底とする。すると、$T(\mathbf{v}_{i}) = \mathbf{w}_{i}$を満たす線形変換$T : V \to W$が一意に存在する。
系2
$V, W$をベクトル空間とする。$S = \left\{ \mathbf{v}_{1}, \mathbf{v}_{2}, \dots, \mathbf{v}_{n} \right\}$を$V$の基底とする。もし$U, T : V \to W$が線形変換であり、$U(\mathbf{v}_{i}) = T(\mathbf{v}_{i})$ならば、$U = T$である。
一般化3
$V, W$をベクトル場、$\beta$を$V$の基底とする。すると、ある関数$f : \beta \to W$に対して、以下を満たす線形変換が一意に存在する。
$$ T : V \to W \quad \text{ by } \quad T(x) = f(x) \quad \forall x \in \beta $$
証明
$\mathbf{x} \in V$とする。すると、$\left\{ \mathbf{v}_{i} \right\}$が基底であるため、
$$ \mathbf{x} = \sum a_{i} \mathbf{v}_{i} $$
方程式を満たす一意の定数$a_{i}$が存在する。今、$T$を次のように定義する。
$$ T : V \to W \quad \text{ by } \quad T(\mathbf{x}) = \sum a_{i}\mathbf{w}_{i} $$
すると、$T(\mathbf{v}_{i}) = \mathbf{w}_{i}$が成立する。
- 線形性
もし$\mathbf{x}, \mathbf{y} \in V$であれば、
$$ \mathbf{x} = \sum a_{i} \mathbf{v}_{i}, \quad \mathbf{y} = \sum b_{i}\mathbf{v}_{i} $$
$$ c \mathbf{x} + \mathbf{y} = \sum (ca_{i} + b_{i})\mathbf{v}_{i} $$
従って、
$$ T(c \mathbf{x} + \mathbf{y}) = \sum (ca_{i} + b_{i})\mathbf{w}_{i} = c\sum a_{i}\mathbf{w}_{i} + \sum b_{i}\mathbf{w}_{i} = cT(\mathbf{x}) + T(\mathbf{y}) $$
- 一意性
線形変換$U : V \to W$が$U(\mathbf{v}_{i}) = \mathbf{w}_{i}$を満たすとする。すると、$\mathbf{x} = \sum a_{i} \mathbf{v}_{i} \in V$について、
$$ U(\mathbf{x}) = \sum a_{i} U(\mathbf{v}_{i}) = \sum a_{i} \mathbf{w}_{i} = T(\mathbf{x}) $$
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