有界線形作用素の拡張定理
📂バナッハ空間有界線形作用素の拡張定理
定理
V1,V2をバナッハ空間としよう。W⊂V1を稠密部分空間としよう。そして、T:W→V2を有界線形作用素としよう。すると、すべてのv∈Wに対してT(v)=T(v)を満たす有界線形作用素
T:V1→V2
が唯一に存在する。また、次のことが成り立つ。
∥T∥=∥T∥
説明
TをTの拡張という。
定理ではTの具体的な姿は言及されないが、証明過程で稠密な部分空間を通じて列の収束によって定義される。このようにして拡張した作用素Tは自然にTとして使用されることもある。
有界線形作用素T:W→Vとw∈W∖Wがある場合、Twを定義したいが、Tの定義域がWに限られているため不可能である。このとき、wに収束する列{wk}はWに存在するため、Twを「間接的」に次のようにそれらしく定義することができる。
T(w):=k→∞limT(wk)
これを言葉で表すと、以下のようになる。
wは、もともとTの定義域に属していないため、Twを定義することはできない。しかし、wに収束する列{wk}がTの定義域内に存在する。したがって、wk→wの時Twk→Twになるため、Tw:=k→∞limTwkのように定義するのは自然であり、それらしい。そして、これが実際に可能である。
したがって、あるバナッハ空間Wで定義された有界線形作用素T:W→Vは、WからVへのマッピングを保ちながら、Wの閉包Wまで、上記の定理から定義域を拡張することが保証される。
証明
v∈V1としよう。WがV1で稠密であるとすると、vに収束する列{vk}が存在する。
k→∞limvk=v
Tが有界かつ線形であるため、ℓ,k∈Nに対して次のことが成り立つ。
∥Tvk−Tvℓ∥=∥T(vk−vℓ)∥≤∥T∥∥vk−vℓ∥
この時、{vk}がコーシー列であるため、上の式によって{Tvk}もコーシー列になる。したがって、V2がバナッハ空間であるため、{Tvk}はV2内の何らかの元に収束することになる。ここから、Tを次のように定義しよう。
Tv:=k→∞limTvk
すると、すべてのv∈Wに対して有界線形作用素の性質によりTvk→Tvが成立するため、Tv=Tvを満たす。今v∈V1∖Wの場合について考えよう。
パート1. 列の選択の無関係性
vに収束するWの二つの列{vk},{uk}を考えよう。もし、vがW内の元であったならば、Tが有界線形作用素であるため、vk,uk→v∈Wの時TvkとTukが同じ値Tvに収束することが保証される。しかし、vk,uk→v∈V1∖Wの場合には、この性質を使うことができず、直接同じ値に収束するかを確認する必要がある。
今、次のような列{wk}を考えよう。
{wk}={v1,u1,v2,u2,…}
するとk→∞limwk=vが成立し、Twkも何らかの値Tv=k→∞limTwkに収束する。しかし、TvkとTukはTwkの部分列であるため、両者は同じ極限値を持たなければならない。したがって、vに収束する任意の列を取ってきても、Tvは唯一に決定される。
パート2. 線形性
v,w∈V1であり、vk→v,wk→wとしよう。
T(αv+βw)=== k→∞limT(αvk+βwk) αk→∞limT(vk)+βk→∞limT(wk) αT(v)+βT(w)
パート3. 有界、∥T∥=∥T∥
v∈V1とし、vk→vとしよう。ノルムは連続であるため、極限を交換できる。この事実とTが有界であることを利用すると、
Tv==≤== k→∞limTvk k→∞lim∥Tvk∥k→∞lim∥T∥∥vk∥ ∥T∥k→∞limvk ∥T∥∥v∥
したがって、Tは有界であり、∥T∥≤∥T∥が成立する。これから、反対向きの不等式が成立することを示そう。v∈Wのベクトルに対しては、次のことが成り立つ。
∥Tv∥=∥Tv∥≤∥T∥∥v∥
しかし、v∈V1∖Wの場合には、上のように∥T∥によってバウンドされないベクトルが存在する可能性がある。したがって、∥T∥≥∥T∥が成立することがわかる。したがって、両側の不等式が成立するため、次のことを得る。
∥T∥=∥T∥
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