曲線の長さ
📂微分積分学曲線の長さ
平面曲線の長さ
ビルドアップ

図(a)のように滑らかな関数y=f(x)が与えられており、その上にn+1個の点があるとする。曲線の全長sは、点によって分割された各弧の長さskを全部足して得られる。また、各弧の長さは図(b)のように二点間の長さで近似できる。点が増えるほど、この近似された長さの合計は実際の長さLに近くなるだろう。したがって、次の式を得る。
L=n→∞limi=1∑n∣Pi−1Pi∣
この時、各成分の長さはピタゴラスの定理により下記の通りである。
∣Pi−1Pi∣=(xi−xi−1)2+(yi−yi−1)2=(Δxi)2+(Δyi)2
また、平均値の定理により、次の式が成立するxi∗∈(xi−1,xi)が存在することがわかる。
f(xi)−f(xi−1)=Δyi= f′(xi∗)(xi−xi−1) f′(xi∗)Δxi
したがって、各線分の長さは下記の通りである。
∣Pi−1Pi∣=== (Δxi)2+(Δyi)2 (Δxi)2+[f′(xi∗)]2(Δxi)2 1+[f′(xi∗)]2Δxi
すると、曲線の長さLは下記の通りである。
L=n→∞limi=1∑n∣Pi−1Pi∣=n→∞limi=1∑n1+[f′(xi∗)]2Δxi
この時1+[f′(x)]2が連続であるため、リーマン和の極限が存在し、積分可能である。したがって、曲線の長さを下記のように定義する。
定義
f′が[a,b]で連続である場合(fが滑らかな関数である場合)、曲線y=f(x)の長さLを以下のように定義する。
L:=∫ab1+[f′(x)]2dx=∫ab1+(dxdy)2dx
これにより、時点P0(a,f(a))から点Q(x,f(x))までの曲線の長さを表す関数、すなわち弧の長さ関数を自然に以下のように定義する。
s(x)=∫ax1+[f′(t)]2dt
したがって、dxds=1+[f′(x)]2=1+(dxdy)2が成立し、曲線の長さを以下のように示すことができる。
L=∫Cds=∫ab1+(dxdy)2dx
定理
曲線Cが媒介変数方程式x=f(t),y=g(t),α≤t≤βで表されるとしよう。f′,g′が[α,β]で連続である場合(f,gが滑らかな関数である場合)、曲線Cの長さは以下の通りである。
L=∫αβ(dtdx)2+(dtdy)2dt
証明
a=x(α),b=x(β)としよう。仮定によりdxdy=dtdxdtdyが成り立つ。したがって、
L=∫ab1+(dxdy)2dx=∫αβ1+dtdxdtdy2dtdxdt=∫αβ(dtdx)2+(dtdy)2dt
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空間曲線の長さ
上でビルドアップしたように、3次元空間に置かれた曲線がr(t)=(f(t),g(t),h(t))として表現される時、曲線の長さは以下のように定義される。
L=== ∫ab[f′(t)]2+[g′(t)]2+[h′(t)]2dt ∫ab(dtdx)2+(dtdy)2+(dtdz)2dt ∫ab∣r′(t)∣dt
同様に、弧の長さ関数は以下の通りである。
s(t)=∫at∣r′(u)∣du=∫at(dudx)2+(dudy)2+(dudz)2du