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正則行列であるための同値条件 📂行列代数

正則行列であるための同値条件

定理1

$A$を大きさ$n\times n$の正方行列とする。すると、下記の命題は全て同値である。

(a) $A$は可逆行列である。

(b) 同次線形システム $A\mathbf{x}=\mathbf{0}$は唯一の自明な解を持つ。

(c) $A$の簡約行階段形$I_{n}$である。

(d) $A$は基本行列の積で表せる。

(e) $A\mathbf{x}=\mathbf{b}$は全ての $n\times 1$行列$\mathbf{b}$に対して解を持つ。

(f) $A\mathbf{x}=\mathbf{b}$は全ての $n\times 1$行列$\mathbf{b}$に対してただ1つの解を持つ。すなわち$\mathbf{x}=A^{-1}\mathbf{b}$が成立する。

(g) $\det (A) \ne 0$

(h) $A$の列ベクトルは線形独立である。

(i) $A$の行ベクトルは線形独立である。

(j) $A$の列ベクトルは$\mathbb{R}^{n}$を生成する。

(k) $A$の行ベクトルは$\mathbb{R}^{n}$を生成する。

(l) $A$の列ベクトルは$\mathbb{R}^{n}$の基底である。

(m) $A$の行ベクトルは$\mathbb{R}^{n}$の基底である。

(n) $A$のランクは$n$である。

(o) $A$の無効次元は$0$である。

(p) $A$の零空間の直交補空間は$\mathbb{R}^{n}$である。

(q) $A$の行空間の直交補空間は$\left\{ \mathbf{0} \right\}$である。

(r) $A$の固有値に$0$は存在しない。

(s) $A^{T}A$は可逆である。

(t) $T_{A}$の核は$\left\{ \mathbf{0} \right\}$である。

(u) $T_{A}$の値域は$\mathbb{R}^{n}$である。

(v) $T_{A}$は単射である。

証明

(a) $\iff$ (b) $\iff$ (c) $\iff$ (d)

(a) $\iff$ (e) $\iff$ (f)


  1. Howard Anton, 初等線形代数 アプリケーションバージョン (12版, 2019), p463 ↩︎