ローレンツ変換による特殊相対性理論の特徴:長さの収縮
📂物理学ローレンツ変換による特殊相対性理論の特徴:長さの収縮
ローレンツ変換の特徴
特殊相対性理論において、二つの座標系間の変換は古典的な変換とは異なる。「光の速度はどの観測者にとっても同じである」という点がその理由だ。この条件を考慮して導出されたのがローレンツ変換だ。ローレンツ変換によって、古典物理では現れなかった新たな現象が三つある。
長さの収縮
長さの収縮は、実際には時間の遅れと別のものではない。本質的には同じ現象だ。時間の遅れが起こっても長さの収縮が起こらないということは不可能だということだ。下の図を見てみよう。

A系とA系がx方向にv0の速度で等速運動しているとしよう。そしてA系に長さがLの棒が静止しているとしよう。この棒はA系から見たとき、下の図のようだ。

では、この棒をA′系から見たらどうなるだろうか?棒の左端の座標を求めてみると、次のようになる。
ct′x′y′z′=γ0−γ0β000−γ0β0γ00000100001ct000=γ0ct−γ0β0ct00
するとct′=γ0ctで、x′=−γ0β0ctだから、結合してx′=−β0ct′を得ることができる。さて、棒の右端の座標を求めてみると、次のようになる。
ct′x′y′z′=γ0−γ0β000−γ0β0γ00000100001ctL00=γ0ct−γ0β0L−γ0β0ct+γ0L00
したがって、
ct′=γ0ct−γ0β0L⟹γ0ct=−ct′−γ0β0L
であり、x′=−γ0β0ct+γ0Lだから、結合して次を得る。
x′−γ0L=β0[ct′+γ0β0L]
x′方向にγ0Lだけ、ct′方向に−γ0β0Lだけ平行移動した形だ。図で見ると、下のようになる。

ローレンツ変換によって時間の遅れが発生し、その時間差のために観測される長さが変わると考えると理解しやすいだろう。
最後に、長さの収縮によって変化した長さがもとの長さとどのような関係にあるか見てみよう。図を見ると、x′−γ0L=−β0[ct′−(−γ0β0L)]で、ct′=0のときx′=L′である。直接ct′=0を代入して計算してみると、次のようになる。
x′=γ0L−γ0β02L=γ0(1−β02)L
この時、次の式が成り立つ。
γ0=1−β021⟹(1−β02)=γ021
したがって、次のようになる。
x′=γ01L=L′
しかし、L′=γ0Lであり、γ0≥1であるから、常にL′≤Lである。ここに長さの収縮が起こる理由がある。式を見れば分かるが、絶対に伸びることはない。時間の遅れと同様に、A′系が動いていない方向(垂直な方向)では収縮が起こらない。もし興味があれば、座標を変えて自分で計算してみて欲しい。常に移動方向と平行な方向にのみ、同時性が崩れ、時間の遅れと長さの収縮が起こる。