3次元回転変換行列:ロール、ピッチ、ヨー
📂行列代数3次元回転変換行列:ロール、ピッチ、ヨー
定義
3次元空間 R3 で、ベクトルを x 軸、y 軸、z 軸を基準に反時計回りに θ だけ回転させる行列 Rx、Ry、Rz は以下の通りです。
Rx=Ry=Rz=1000cosθsinθ0−sinθcosθcosθ0−sinθ010sinθ0cosθcosθsinθ0−sinθcosθ0001
慣習的に Rx をロールroll、Ry をピッチpitch、Rz をヨーyawとも呼ぶ。
性質
直交性
- [1]: 3次元の回転変換行列 R は直交行列です。つまり、次が成立します。
R−1=RT
可換性のなさ
- [2]: 回転変換行列の集合では、行列の積に対する交換法則は成立しません。つまり、2つの回転変換行列 R1 と R2 について R1R2=R2R1 が成り立つことがある。
説明
紹介された行列は、ただの3次元回転変換にすぎないが、大きな意味があります。数学的にはただ R3×3 に属する行列に過ぎないが、この世界は3次元で、私たちが生きている世界で最も役に立ちます。特に機械の制御では欠かせず、工学的な応用という文脈での行列の可換性のなさは、平行移動行列と大きく区別されます。
数式で注意すべき点は、ロール Rx とヨー Rz はその軸だけをそのままにして2次元の回転変換を埋めたように見えるが、ピッチ Ry は sin の符号が反対になっていることです。
証明
[1]
幾何学的に自明です。回転変換行列 R が一つの軸を基準に θ だけ回転させるなら、R−1 は −θ だけ逆方向に回転させる行列で、sin(−θ)=−sinθ なので、3種類の回転変換行列はすべて R−1=RT を満たします。
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[2]
掛け算の左右を変えた時に結果が異なる組み合わせを少なくとも一つ示せば十分です。Ry(π/2) と Rz(π/2) の積を計算してみると、以下の通りです。
Ry(2π)Rz(2π)=====00−1010100010−10000101000110000−1−100010010−10000100−1010100Rz(2π)Ry(2π)
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