カイ二乗分布の十分統計量
定理
カイ二乗分布に従うランダムサンプル $\mathbf{X} := \left( X_{1} , \cdots , X_{n} \right) \sim \chi^{2} (r)$ が与えられているとしよう。$r$ に対する十分統計量 $T$ は、次の通りである。 $$ T = \left( \prod_{i} X_{i} \right) $$
証明
ガンマ分布とカイ二乗分布の関係: $$ \Gamma \left( { r \over 2 } , 2 \right) \iff \chi ^2 (r) $$
ガンマ分布の十分統計量: ガンマ分布に従うランダムサンプル $\mathbf{X} := \left( X_{1} , \cdots , X_{n} \right) \sim \Gamma \left( k, \theta \right)$ が与えられているとしよう。
$\left( k, \theta \right)$ に対する十分統計量 $T$ は、次の通りである。
$$ T = \left( \prod_{i} X_{i}, \sum_{i} X_{i} \right) $$
カイ二乗分布は本質的にガンマ分布であり、ガンマ分布での$k = r/2$ に対する十分統計量が $\prod_{i} X_{i}$ であるため、カイ二乗分布の十分統計量も $\prod_{i} X_{i}$ である。
■