凸包の定義
定義 1
ベクトル空間 $V$ の部分集合 $X$ の凸包convex Hull $C$ とは、$X$ を含む全ての凸集合の共通部分を指し、数式では以下の通りになる。 $$ C = \left\{ \sum_{k} t_{k} \mathbf{x}_{k} : \mathbf{x}_{k} \in X, t_{k} \ge 0 , \sum_{k} t_{k} = 1 \right\} $$
説明
実は、定義で出てきた数式は、そのものズバリの定義ではない。集合記号の中で条件付けで示した $$ \sum_{k} t_{k} \mathbf{x}_{k} $$ は$\left\{ \mathbf{x}_{k} \right\}_{k}$ の凸組み合わせconvex Combinationと呼ばれる。
言葉で説明すると難しく聞こえるかもしれないが、図で見るととても単純で2、凸包という用語自体が重要というよりは、幾何学、最適化理論、位相データ分析など、空間を簡単に扱いたいと思うコンテキストで唐突に現れる概念である。
図で見た凸包は本当に単純だ。$X$ の全ての点を囲む最小の凸集合だ。数学的に全ての凸集合の共通部分について言及する理由は、「大きさ」が「小さい」といった表現が数学ではあまり直感的ではないからだ。
Matousek. (2007). 線形プログラミングの理解と使用:p49. ↩︎
Sheffar. (2020). 位相データ分析入門. https://arxiv.org/abs/2004.04108v1 ↩︎