フレネル積分の証明
📂複素解析フレネル積分の証明
定理
∫0∞cosx2dx=∫0∞sinx2dx=212π
説明
フレネル積分は一見簡単に見えるが、見た目ほど単純な結果ではない。単に三角関数の二乗であれば簡単だろうが、その内部のx を二乗したものなのである。実際に触れてみると、このxがどれほど消えないかわかるだろう。
関数内の変数が問題の核心であり、グラフの形状自体さえもすぐには思い浮かばない。まず、異常積分は存在するのか?波は描くのか?周期を持って徐々に小さくなるのか?考えれば考えるほど、確実に「はい」か「いいえ」と言えることすら難しい問題だ。
しかし、複素解析を使えば比較的容易に問題を解決できる。このような解法を探るほど、実数上の問題を解決するためには複素数の導入が不可欠であることを認めざるを得ない。
証明

半径がRの四分円として、簡単な閉路C を図のように考え、それを図のようにL1,L2,L3で分けてみる。
L1:L2:L3:z(t)=Reitz(t)=(2R−t)+i(2R−t)z(t)=t,0≤t≤4π,0≤t≤2R,0≤t≤R
すると、コーシーの定理により
∫Ce−z2dz=∫L1e−z2dz+∫L2e−z2dz+∫L3e−z2dz=0
パート 1. L1
∫L1e−z2dz=∫04πe−R2cis2tiReitdt=∫04πR(ecis2t)−R2ieitdt
最初の積分は、R→∞のとき0に収束するだろう。
パート 2. L2
2(2R−t)=z
それに置き換えると−2dt=dxとなるので、
======∫L2e−z2dz∫02Re−2i(2R−t)2(−1−i)dt∫R0e−ix2(−1−i)(−21)dx−21(1+i)∫0Re−ix2dx−21(1+i)∫0R(cos(−x2)+isin(−x2))dx−21(1+i)∫0R(cosx2−isinx2)dx−21∫0R{(cosx2+sinx2)+i(cosx2−sinx2)}dx∵dz→dt∵dt→dx
パート 3. L3
∫L3e−z2dz=∫0Re−t2dt
ガウス積分により、R→∞ のとき2πに収束するだろう。
パート 4. C
R→∞lim∫Ce−z2dz=0 なので、
R→∞lim21∫0R(cosx2+sinx2)dt=2πR→∞lim21∫0Ri(cosx2−sinx2)dt=0
虚数部は0 でなければならないので、
∫0∞cosx2dx=∫0∞sinx2dx
したがって、実数部は
2∫0∞cosx2dx=2π
これを再度うまく整理すると、
∫0∞cosx2dx=∫0∞sinx2dx=212π
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