曲線の定義
📂幾何学曲線の定義
定義
- 写像 α:(a,b)→R3 を曲線curveと呼ぶ。
- α′=dtdα=0 の時の点 t=t0 を特異点singular pointと言う。
- ある k∈N に対して、全ての t∈(a,b) で dtdα=0 となる曲線 α∈Ck を正則曲線regular curveと呼ぶ。つまり、正則曲線とは特異点がない曲線のことだ。
- 曲線 αの t=t0 での微分係数 α′(t0)をt=t0 の時のα の速度(ベクトル)velocity vectorと呼び、αの導関数 α′をαの速度ベクトル場velocity vector fieldと言う。従って、正則曲線は速度が0にならない曲線のことを言い、物理的に見た時、進行方向が絶対に変わらないことを意味する。
- t=t0 の時の α の速度の大きさ ∣α′(t0)∣を速さspeedと呼ぶ。
- ∣α′∣=1 の曲線をα:(a,b)→R3 を単位速度曲線unit Speed Vectorと言う。
- Ck は k 回微分可能でその導関数が連続関数の集合である。
説明
α(t):=(α1(t),α2(t),α3(t))
幾何学で扱いたい対象は図形で、定義ではその図形をパラメーター t に対する関数として表していることに注意しろ。これにより、多くの数学的なツールを使って図形を研究することができるようになり、特に、微分幾何学では多くの微積分が使用されるだろう。

特異点とは、簡単に言えば曲がっているか停止している点のことだ。曲がっている点では、見方によっては2つの方向が出てくることがある。このような点は扱いにくいので、学部レベルの微分幾何学では扱わない。‘停止する点’は例で説明する。
ある k∈N に対して、α∈Ck ということは、少なくとも一度は微分可能であることを強く意味し、実際に何回微分可能かはあまり重要ではない。通常、k=1 回だけであっても、単にスムースsmoothであると言われる。
例
直線
l(t):=(t,t,t)
定義によれば、直線 l:R→R3 が曲線でない理由は全くない。韓国語では、曲がることを意味する曲曲のため、何かが曲がっているというニュアンスが混乱を招くかもしれないが、そのまま英語の発音でカーブと読んだ方が良いかもしれない。
螺旋
ζ(t):=(cost,sint,t)
0→t→∞ によると、螺旋は以下のように描かれる。

不規則曲線
β(t):=(t2,t3,t4)
上記の曲線 β を微分すると、
β′(t):=(2t,3t2,4t3)
その結果、t=0 で dtdβ(0)=0 になる。この特異点は曲がっていないがt を沿って進んでいると t=0 で文字通り停止する。従って、β の定義域が R なら正則曲線ではない。もちろん、定義域が 0 を含まない範囲、例えば、(0,∞) なら正則曲線だ。定義域によって正則曲線であったり、そうでなかったりすることに注意しよう。
コード
以下は、螺旋の例で見た動画をJuliaで作成するコードだ。
using Plots
ζ(t) = (cos(t), sin(t), t)
anim = @animate for T ∈ 0.1:0.1:10
t = 0:0.1:(T*π)
helix = plot(ζ.(t), camera = (45,45), legend = :none)
xlims!(-2,2); ylims!(-2,2); zlims!(0,40)
end
gif(anim, "helix.gif")