畳み込みノルム収束定理
📂フーリエ解析畳み込みノルム収束定理
定理
関数g∈L1が有界で、∫Rg(y)dy=1を満たしているとする。f∈L2であり、fとgの畳み込み f∗gが全てのx∈Rに対してよく定義されている場合、f∗gϵはfにノルム収束する。
ϵ→0lim∥f∗gϵ−f∥=0
この場合、gϵ(y)=ϵ1g(ϵy)である。
「畳み込みノルム収束定理」という名前は、この定理に特につけられた名前がないため、勝手につけたものである。「畳み込み収束定理」(../1877)は、f∗gϵ(x)がf(x)にポイントワイズに収束することを示した定理であり、この定理はf∗gϵという関数が自体がfに収束することを示す定理である。
証明
(eq1)を示すために、式を次のように整理しよう。
f∗gϵ(x)−f(x)=∫f(x−y)gϵ(y)dy−f(x)∫gϵ(y)dy=∫[f(x−y)−f(x)]gϵ(y)dy=∫[f(x−y)−f(x)]ϵ1g(ϵy)dy
ここでy=ϵzと置換すると、次のようになる。
f∗gϵ(x)−f(x)=∫[f(x−y)−f(x)]ϵ1g(ϵy)dy=∫[f(x−ϵz)−f(x)]g(z)dz=∫[Tϵzf(x)−f(x)]g(z)dz
ミンコフスキーの不等式
1≤p<∞に対して、f∈Lp、g∈L1であれば、以下の式が成立する。
∫f(⋅,y)g(y)dyp≤∫∥f(⋅,y)∥p∣g(y)∣dy
すると、ミンコフスキーの不等式により、次が成立する。
∥f∗gϵ−f∥2=∫[Tϵzf−f]g(z)dz2≤∫∥Tϵzf−f∥2∣g(z)∣dz
g∈L1であり、∥Tϵzf−f∥2≤2∥f∥2であるため、∥f∗gϵ−f∥2は有界である。
1≤p<∞に対して、f∈Lpでありz∈Rnであれば、次の式が成立する。
y→0lim∥Ty+zf−Tzf∥p=0
ここでTは平行移動を指す。
また、上記の事実により、次が成立する。
ϵ→0lim∥Tϵzf−f∥2=0
したがって、支配収束定理の条件を満たすので、証明は次の式を得て終わりである。
ϵ→0lim∥f∗gϵ−f∥2≤ϵ→0lim∫∥Tϵzf−f∥2∣g(z)∣dz≤∫ϵ→0lim∥Tϵzf−f∥2∣g(z)∣dz=∫0⋅∣g(z)∣dz=0
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