積分変換
定義
関数空間から関数空間へのマップ$J$が下のような積分で定義される場合、$J$を積分変換integral transformという。
$$ (Jf) (x) = \int_{a}^{b} K(x,t)f(t)dt $$
$$ J : f(\cdot) \mapsto \int_{a}^{b} K(\cdot,t)f(t)dt $$
この時、$K$を$J$のカーネルkernelという。$Jf$から$f$へのマップが存在する場合、これを$J^{-1}$と表示し、$J$の逆変換inverse transformという。
説明
積分領域が必ずしも有界である必要はない。$a=-\infty$であろうと$b=\infty$であろうと、またはその両方であろうと関係ない。積分変換は上の定義に従ってどう作っても構わないが、適切な意味を持つためには、与えられた問題を$f$で解くより$Jf$で解くほうが簡単であるか、または逆変換が存在し、$Jf$と$f$を自由に変えられる必要がある。積分変換の例としては次のようなものがある。
フーリエ変換 $\mathcal{F}$:
$$ \mathcal{F}f(\xi)=\int _{-\infty} ^{\infty} f(x)e^{i \xi x}dx,\quad K(x,\xi)=e^{i\xi x} $$
ラプラス変換 $\mathcal{L}$:
$$ \mathcal{L}f(s)=\int _{0} ^{\infty}f(t)e^{-st}dt,\quad K(t,s)=e^{-st} $$
メリン変換 $\mathcal{M}$:
$$ \mathcal{M}f(s)=\int_{0}^{\infty} f(x)x^{s-1}dx,\quad K(x,s)=x^{s-1} $$
ラドン変換 $\mathcal{R}$:
$$ \mathcal{R}f(s,\theta)=\int_{-\infty}^{\infty}f(s\cos\theta-t\sin\theta, s\sin\theta+t\cos\theta)dt $$