ノルムが連続写像であることを証明する
定理
$(X, \left\| \cdot \right\|)$をノルム空間と呼ぼう。すると、$\lim \limits_{k\to\infty} x_{k} = x$の$X$の数列$\left\{ x_{k} \right\}$について、次の式が成り立つ。
$$ \lim \limits_{k \to\infty} \left\| x_{k} \right\| = \left\| x \right\| $$
説明
$\left\| \cdot \right\|$が連続関数だという意味だ。極限記号は連続関数に対して自由に出入りできるので、非常に良い性質である。
証明
$\lim \limits_{k\to\infty} x_{k}=x$と仮定したので次の式が成り立つ。
$$ \lim \limits_{k\to\infty} \left\| x-x_{k} \right\| = 0 $$
また、逆三角不等式により、次が成り立つ。
$$ \left\| x \right\| - \left\| x_{k} \right\| \le \left\| x - x_{k} \right\| $$
両辺に極限をとれば、
$$ \lim \limits_{k\to\infty} \left( \left\| x \right\| - \left\| x_{k} \right\| \right) \le \lim \limits_{k\to\infty} \left\| x - x_{k} \right\| = 0 $$
従って、
$$ \lim \limits_{k \to\infty} \left\| x_{k} \right\| = \left\| x \right\| $$
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