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マルチプル・スプリング振動 📂古典力学

マルチプル・スプリング振動

スプリングが物体の両側に接続された場合

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$x$を物体が移動した距離としよう。スプリングの復元力は$-kx$なので、物体は左のスプリングから$-k_{1}x$、右のスプリングから$-k_{2}x$の力を受ける。だから、運動方程式は次の通りだ。

$$ \begin{align*} && m\ddot{x}&=-k_{1}x-k_{2}x \\ \implies &&m\ddot{x}+(k_{1}+k_{2})x&=0 \\ \implies && \ddot{x}+\frac{k_{1}+k_{2}}{m}x &=0 \end{align*} $$

これは単純調和振動の方程式と同じなので、解は以下の通りだ。

$$ \begin{align*} x(t) &= A\cos(\omega_{p} t + \phi) \end{align*} $$

ここで、$A$は振幅、$\omega_{p} =\sqrt{\frac{k_{1}+k_{2}}{m}}$は振動数だ。つまり、単純調和振動の解で二つのバネ定数を足したものと同じだ。

異なるバネが一つに接続された場合

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バネ1が伸びた長さを$x_{1}$、バネ2が伸びた長さを$x_{2}$としよう。作用・反作用の法則によって、バネ1がバネ2に加える力は、バネ2がバネ1に加える力の大きさがお互いに等しい。だから、次の式を得る。

$$ \begin{equation} \left| F_{12} \right| =\left| F_{21} \right| \quad \implies \quad k_{1}x_{1}=k_{2}x_{2} \label{eq1} \end{equation} $$

この時、物体が移動した距離は$x=x_{1}+x_{2}$だ。組み合わせたバネをバネ定数が$k$の一つのバネと考えると、運動方程式は以下の通りだ。

$$ \begin{equation} F = -kx \label{eq2} \end{equation} $$

この場合、バネ1が加える力はバネ2がバネ1に加える力によって打ち消されるので、実力は$F=-k_{2}x_{2}$だ。すると、$\eqref{eq1}$、$\eqref{eq2}$によって次のようになる。

$$ \left| F \right|=kx=k_{1}x_{1}=k_{2}x_{2} $$

だから、以下の式が成り立つ。

$$ \begin{align*} && x&=x_{1}+x_{2} \\ \implies && \frac{\left| F \right| }{k} &=\frac{ \left| F \right| }{k_{1}}+\frac{\left| F \right| }{k_{2}} \\ \implies && \frac{1}{k} &=\frac{1}{k_{1}}+\frac{1 }{k_{2}} \\ \implies&& k&=\frac{k_{1}k_{2}}{k_{1}+k_{2}} \end{align*} $$

それで、$\eqref{eq2}$を再び書くと、次のようになる。 $$ F=-kx=-\frac{k_{1}k_{2}}{k_{1}+k_{2}}x $$

$\omega_{s}^{2}=\frac{k_{1}k_{2}}{k_{1}+k_{2}}$とすると、運動方程式の解は以下のように与えられる。

$$ x(t) = A \cos (\omega_{s} t +\phi) $$

参照