等比数列の和を求める
数式
初項が$a$で、公比が$r$の等比数列$a_{n} = a r^{n-1}$について、 $$ \sum_{k=1}^{n} a_{k}= {{a (1- r^{n} ) } \over {1-r}} $$
証明
$\displaystyle S= \sum_{k=1}^{n} a_{k}$としよう。すると、 $$ S= a + ar + \cdots + ar^{n-2} + ar^{n-1} $$ 両辺に$r$をかけると、 $$ rS= ar + a r^2 + \cdots + ar^{n-1} + ar^{n} $$ ここで、上の二つの式から両辺を引くと、 $$ S - rS = (1-r)S = a- a r^n $$ 右辺の二つの式を$1-r$で割ると、 $$ S=\sum_{k=1}^{n} a_{k}= {{a (1- r^{n} ) } \over {1-r}} $$
■
説明
等差数列の和とは異なり、この公式自体が非常によく使われる。証明法も少し異なるが、別にもっと勉強するほど難しいわけではない。
等比級数は幾何級数geometric Seriesとも言われる。人々がよく「幾何級数的に」と言うが、それがこの言葉だ。つまり、ほとんどの数学に詳しくない人々が「幾何級数的に」という言葉を間違って使っているのだ。
等比級数で$n$が無限大になるとどうなるか?$|r|<1$ならば収束し、$|r|>1$ならば発散するだろう。等比級数でこのように$n \to \infty$を考えることを「無限等比級数」という。
無限等比級数
$|r|<1$の時、 $$ \sum_{n=1}^{\infty} a r^{n-1} = { a \over {1-r}} $$
$n \to \infty$から$ar^n \to 0$になるので、等比級数から自然に導かれる。