粒子系の質量中心と線運動量
📂古典力学粒子系の質量中心と線運動量
定義
粒子の集まりを粒子系system of particlesと呼ぶ。
説明

質量がm1、m2、⋯、mnの粒子の位置ベクトルがそれぞれr1、r2、⋯、rnの時、この粒子系の質量中心center of massを以下のように定義する。
rcm=m1+m2+⋯+mnm1r1+m2r2+⋯+mnrn=m∑miri
ここで、m=i∑miは粒子系の全質量を示している。下付き文字cmはcenter of massの略である。それにより、質量中心の速度は自然に以下のように定義される。
vcm=m1+m2+⋯+mnm1v1+m2v2+⋯+mnvn=m∑mivi
3次元直交座標系でri=xix^+yiy^+ziz^とすると、各座標における質量中心は以下のようになる。
xcm=m∑mixi,ycm=m∑miyi,zcm=m∑mizi
この粒子系の線形運動量は自然に各粒子の運動量の合計として定義される。
p=∑pi=∑mivi
それにより、(1)によって粒子系の線形運動量は粒子系全体の質量と質量中心の速度の積として表されることが分かる。
p=∑mivi=mvcm
これでそれぞれの粒子が外部から受ける力がF1、F2、⋯、Fnとする。さらに、粒子iが粒子jから受ける力をFijとする。そうすると、粒子iの運動方程式は以下のようになる。
Fi+j=1∑nFij=miri¨=pi˙
したがって、粒子系全体に対する力をすべて足すと以下のようになる。
i=1∑nFi+i=1∑nj=1∑nFij=i=1∑npi˙
ここで、粒子は自分自身に対しては何の力も及ぼさないのでFii=0は0である。また、方程式の2番目の項で、FijとFjiはそれぞれ粒子iが粒子jに、粒子jが粒子iに与える力を表しているため、作用・反作用の法則により、これらの大きさは同じだが方向が反対であり、足し合わせると0になる。よって、2番目の項は0である。したがって、粒子系全体の運動方程式は次のようになる。
i=1∑nFi=pi˙=macm
つまり、粒子系では質量中心の加速度は、系全体の質量を持つ一つの粒子が全体の外力を受けた時の加速度と同じである。