冪級数の収束성
定理1
べキ級数$\sum\limits_{n = 0}^{\infty} c_{n} (x - a)^{n}$の収束半径を$R$とする。すると、
- 級数は$x \in (a - R, a + R)$で絶対収束する。
- 級数は任意の閉区間$[b, d] \subset (a - R, a + R)$でも一様収束する。
- $(R \lt \infty$に対して、級数は$x \notin [a - R, a + R]$で発散する。
説明
1と3の証明はここを参考にしてね。
2を言い換えると次のようになる。
任意の正の数$\varepsilon \gt 0$に対して、級数は$[a - R + \varepsilon, a + R - \varepsilon]$で一様収束する。
証明 (2.)
$\varepsilon \gt 0$が与えられたとする。$\left| x - a \right| \le R - ε$に対して
$$ \left| c_{n} (x - a)^{n} \right| \le \left| c_{n} (R - ε)^{n} \right| $$
が成り立つ。でも1によって級数$\sum\limits_{n = 0}^{\infty} c_{n} (R - ε)^{n}$は絶対収束する。$M_{n} = \left| c_{n} (R - ε)^{n} \right|$とするとワイエルシュトラス-$M$判定法によって、$\sum\limits_{n = 0}^{\infty} c_{n} (x - a)^{n}$は$[a - R + \varepsilon, a + R - \varepsilon]$で一様収束する。
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Walter Rudin, Principles of Mathmatical Analysis (3rd Edition, 1976), p173 ↩︎