エルミート多項式の再帰関係
📂関数エルミート多項式の再帰関係
定理
エルミート多項式は次の再帰関係を満たす。
Hn′(x)Hn+1(x)=2nHn−1(x)=2xHn(x)−2nHn−1(x)=2xHn(x)−Hn′(x)
証明
(1)
生成関数を用いた解法
エルミート多項式の生成関数
Φ(x,t)=e2xt−t2=n=0∑∞Hn(x)n!tn
エルミート多項式の生成関数を微分すると、次のようになる。
2te2xt−t2=n=0∑∞Hn′(x)n!tn
すると、左辺は生成関数の定義により、
2tn=0∑∞Hn(x)n!tn=2te2xt−t2=n=0∑∞Hn′(x)n!tn
整理すると、次を得る。
n=0∑∞Hn′(x)n!tn=n=0∑∞2tHn(x)n!tn=n=0∑∞2(n+1)Hn(x)(n+1)!tn+1
両辺のn!tn項の係数を比較すれば、次のようになる。
Hn′(x)=2nHn−1(x)
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微分演算子を用いた解法
エルミート多項式
Hn(x)=(−1)nex2dxndne−x2
微分演算子をD=dxdと表記しよう。エルミート多項式を一度微分すると、
DHn(x)=D[(−1)nex2Dne−x2]=(−1)n2xex2Dne−x2+(−1)nex2Dn+1e−x2=(−1)n2xex2Dne−x2+(−1)nex2Dn[(−2x)e−x2]
二番目の項にライプニッツのルールを適用すると、
DHn(x)=(−1)n2xex2Dne−x2+(−1)nex2k=0∑n(n−k)!k!n!Dk(−2x)Dn−ke−x2=(−1)n2xex2Dne−x2+(−1)nex2k=0∑1(n−k)!k!n!Dk(−2x)Dn−ke−x2=(−1)n2xex2Dne−x2+(−1)nex2[−2xDne−x2−2nDn−1e−x2]=2n(−1)n+1ex2Dn−1e−x2=2n(−1)n−1ex2Dn−1e−x2=2nHn(x)
二番目の等号はk≥2がDk(−2x)=0の時に成立する。
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(2)
(1)に対する証明と同じ方法で証明する。生成関数をtに対して微分すると、次を得る。
(2x−2t)n=0∑∞Hn(x)n!tn=(2x−2t)e2xt−t2=n=0∑∞Hn(x)(n−1)!tn−1
整理すると、下のようになる。
n=0∑∞Hn(x)(n−1)!tn−1=n=0∑∞[2xHn(x)−2tHn(x)]n!tn
両辺のn!tn項の係数を比較すれば、次を得る。
Hn+1(x)=2xHn(x)−2tHn(x)
また、(1)により、次が成り立つ。
Hn+1(x)=2xHn(x)−Hn′(x)
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