基底を保つ準同型写像の証明
定理
位相空間 $X$、$Y$ とそれらの間の位相同型写像 $f$ が与えられたとしよう。 $$ f\ :\ X \rightarrow Y $$ $\mathcal{B}_{X}$が $X$ の基底であるなら、$f(\mathcal{B}_{X})$は $Y$の基底になる。
説明
簡単に言えば、位相同型写像は基底を保つ。
証明
$X$の部分集合のコレクション $\mathcal{B}$が以下の二つの条件を満たす時、$X$上の位相の基底と呼ぶ。
- $(b1)$:任意の $x\in X$ に対して、$x \in B$を満たす $B \in \mathcal{B}$が存在する。すなわち、$\bigcup \nolimits_{B\in\mathcal{B}} B=X$
- $(b2)$:任意の $B_{1},B_2 \in \mathcal{B}$ と $x\in \big( B_{1} \cap B_2 \big)$ に対して、$x \in B_{3} \subset \big( B_{1} \cap B_2 \big)$を満たす $B_{3} \in \mathcal{B}$が存在する。
$f(\mathcal{B}_{X})$が $Y$ でこれら二つの条件を満たしているかを確認すればいい。
$(b1)$
$\mathcal{B}_{X}=\left\{ B_{X}^1,\ B_{X}^2,\ \cdots \right\}$ とする。$\bigcup f(B_{X}^k)=Y$を示せばいい。$f$が位相同型写像であるため、任意の $y \in Y$ に対して、$f^{-1}(y)$が存在する。それから各々の $y$ に対して、$f^{-1}(y) \in B_{X}^k$を満たす $B_{X}^k$が存在する。また、$f(\bigcup\nolimits_{i} A_{i})=\bigcup\nolimits_{i} f(A_{i})$ だから1 $$ \bigcup f(B_{X}^k)=f( \bigcup B_{X}^k )=f(X)=Y $$
$(b2)$
同様に、任意の $y$ に対して、$f^{-1}(y)$が存在する。基底の定義により、$f^{-1}(y) \in \big( B_{X}^1 \cap B_{X}^2 \big)$ に対して、以下の条件を満たす $B_{X}^3$が存在する。 $$ f^{-1}(y) \in B_{X}^3 \subset \big( B_{X}^1 \cap B_{X}^2 \big) $$ すると $y \in f(B_{X}^3)$ であり、$f$が全単射であって交差を保つ2ため $$ f(B_{X}^3) \subset f\big( B_{X}^1 \cap B_{X}^2 \big)=f(B_{X}^1)\cap f(B_{X}^2) $$ だから、$y\in f(B_{X}^3)\subset \big( f(B_{X}^1) \cap f(B_{X}^2) \big)$を満たす $f(B_{X}^3)$が存在する。従って $f(\mathcal{B}_{X})$は条件$(b1)$、$(b2)$を満足するため、$Y$の基底である。
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