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絶対連続と積分可能な関数の関係 📂測度論

絶対連続と積分可能な関数の関係

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以下の命題を考えてみよう。

可測空間 $(X,\mathcal{E})$上の測度 $\mu$と$\mu-$積分可能な関数$f$が与えられたとする。すると$f$に依存する$\nu \ll\mu$な$\nu$が存在する。

これを示すことは証明とも呼べない。$\nu$を以下のように定義すれば、$\nu$が$\nu \ll\mu$であるために、上記の条件を満たす$\nu$が存在することがわかる。

$$ \nu (E):=\int_{E} f d\mu,\quad E \in \mathcal{E} $$

説明

今度は逆の状況を考えてみよう。$ \nu \ll \mu$を満たす二つの測度$\nu$, $\mu$が与えられたとする。すると、**「以下の式を満たす$\mu-$積分可能な関数$f$は存在するだろうか?」**という質問ができる。

$$ \begin{equation} \nu (E) = \int_{E} f d\mu \label{eq1} \end{equation} $$

答えは「存在する」とであり、これはラドン=ニコディムの定理で知ることができる。このような$f$の存在は、確率論における条件付き期待値の存在を保証するので、ラドン=ニコディムの定理は大きな意味を持つと言える。

ラドン=ニコディムの定理は、符号付き測度に対して、ルベーグ=ラドン=ニコディムの定理によって一般化される。ラドン=ニコディムの定理は、ルベーグ=ラドン=ニコディムの定理において$\lambda=0$である特別な場合を指す。一方で、$\eqref{eq1}$を以下のように簡潔に表すことができる。

$$ d\nu=fd \mu $$

このように表す理由は、両辺を$E \in \mathcal{E}$に対して積分してみると、簡単に理解できるだろう。

$$ \begin{align*} && \int_{E} d \nu &= \int_{E} f d\mu \\ \implies && \int_{E} d\nu &= \nu (E) = \int _{E} f d\mu \end{align*} $$

したがって、$\lambda (E) = \nu (E) \displaystyle - \int_{E} f d\mu$は以下のように表すことができる。

$$ d \lambda = d\nu -fd\mu $$