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置換公理形 📂集合論

置換公理形

公理

$$ \forall X \left( \forall x \in X \exists ! y \left( p(x,y) \right) \implies \exists Y \forall x \in X \exists y \in Y \left( p(x,y) \right) \right) $$ すべての関数に対する値域が存在する。


  • 記号 $\exists !$ は一意性を意味する。
  • ここでは、$p(x,y)$ は $X \times Y$ の中の命題関数だ。

説明

命題関数$p(x,y)$は確かに関数だが、厳密に言えばまだ関数として定義されておらず、たとえ関数として定義されたとしても、上の公理で言及されている関数そのものではない。論理式$p(x,y)$が言っていることは、$x \in X$が与えられた時、$y \in Y$が存在するということだ:

  • 例えば、$p$は$p(x,y): y = 2x$のように与えられ、この場合存在する値域を持つその関数は$f(x) = 2x$であって、$p(x,y)$ではない。置換公理形に従って、関数$f$に対する$X = [0,1]$の像$Y = f [ 0 ,1] = [0,2]$が存在するのである。

公理ではなく公理形と呼ばれる理由は、この公理が数え切れないほど多くの$p(x,y)$に対して数え切れないほど多く存在するからである。異なる二つの命題関数$p_{1}(x,y): y = \sin x$と$p_{2}(x,y): y = 2x$がある場合、$Y = f_{2} [ 0,1] = [0,2]$の存在を保証するのは「$p_{1}(x,y)$に対する置換公理」ではなく「$p_{2}(x,y)$に対する置換公理」である。