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正則性の公理 📂集合論

正則性の公理

説明

X={X}X = \left\{ X \right\} は存在しない

正則性の公理によると、自分自身を要素として含む再帰的集合、例えばX={X}X = \left\{ X \right\} のような集合は存在できない。自分自身と互いに素になるためには、少なくとも自分自身ではなければならないからである。

正則性の公理は「空でない集合が『何らかの要素を持つ』ということではなく、『このような集合は存在しない』という点に重点を置いて読むべきである。数学は通常、「しないでください」と言うことは少ないが、このような集合の存在性はそれほどの反則であるため、公理として明確にする必要があった。ほとんどの場合と同様に、何かが存在しないことを示すことは、存在することを示すことよりも難しい。それほど強力な公理である。

ただちに何か有用なものを正則性の公理で思いつく必要はない。ほぼすべての数学で「このような集合を考えてみてはどうか?」という質問を事実上遮断する役割として十分である。概念を考えるたびに再帰的な集合の可能性を考えることは非常に疲れることである。このように一行の命題として述べてから始めることができるので、感謝しないわけにはいかない。

自分自身を要素として持つ集合は存在しない 1

正則性の公理だけを読んだとき、X=X \cap \emptyset = \emptyset だからX={X,}X = \left\{ X , \emptyset \right\} であるXX が存在しない理由がないように見えるかもしれない。しかし、対の公理と一緒なら、それどころかXXX \in X である集合自体が存在しないことを示すことができる。

XXX \in X である集合 XX が存在すると仮定しよう。対の公理によれば、すべての集合 XX に対して {X,X}={X}\left\{ X, X \right\} = \left\{ X \right\} が存在する。{X}\left\{ X \right\} は空集合ではないので、必ず自分自身である{X}\left\{ X \right\} と互いに素な要素を持たなければならないが、その候補となりうる要素はXX 一つだけである。しかし、正則性の公理によれば、このように{X}\left\{ X \right\} と互いに素な集合として存在するXXX{X}=X \cap \left\{ X \right\} = \emptyset を満たさなければならないが、これはXXX \in X と矛盾する。したがって、XXX \in X である集合、つまり自分自身を要素として持つ集合は存在しない。

この定理だけで、「すべての集合の集合」のような集合が存在しないことを保証し、ラッセルの逆説を反駁できるようになる。